エコシステム

2024.07.19 17:45

過去最多1万2千人が来場した「IVS」とは何か。圧倒的熱量のつくり方

藤田:メディアパートナーとして僕らは何をしたらいいですか?

今井:当日、何とかIVSを盛り上げようと頑張っているメンバーがいます。登壇者や出展者の方もそうですが、そういう人たちがなぜIVSに関わってくれているのかをぜひご取材いただけるとありがたいです。

以前はアンケートやイベントが終わった後の挨拶ができていましたが、この規模になると全員とお話するとなると結構難しい。ぜひ良いところも良くなかったところも全部含めて、生の声を拾っていただけると嬉しいです。

教えて瀬戸内VC スタートアップしなきゃいけない?


今井
:お二人に「全ての起業家はスタートアップしなくちゃいけないのか」という質問をしたいです。

起業自体のハードルが下がってきて、転職や就職と同じような選択肢になりつつあると思います。ですが、「急いで大きい会社、大きい事業を作って」というように何かあおられてる感覚もある気がしていて。丁寧にできないとスタートアップ自体がブームで終わってしまうと思っているからこそ、スタートアップという言葉にどう向き合っているのかお聞きしたいです。

藤田:しなくちゃいけないことはないと思っています。大学で起業部に関わったり、授業でアントレプレナーシップについて話したりしていますが、無理にその道を薦めることはしません。スモールビジネスやソーシャルビジネス、場合によってはボランティアやNPOも含めて起業だと定義しているので、もちろんスタートアップ以外もあっていいと思います。特に地方においてはスタートアップじゃない起業家の方が多いんですよね。

ですが、それでもやっぱり僕はスタートアップが好きなので、できればスタートアップしてもらうと嬉しいなと思います。

自分たちの身の丈に合わないバリュエーションをつけ、そこに身の丈を合わせていく過程で、起業家も成長していく。そういう起業家の成長を真横で見たり、その成長に僕らの成長がついて行けなくて寂しくなったりすることを含めて、スタートアップに関わる人たちや起業家が好きだと思っています。

山田:する必要はないと思いつつ、スタートアップも手段なので上手く使えばいいとも思っています。

追い詰められてしまうとか、やれよと言われて苦しんでる人がいるのもすごくわかりますが、言葉や周りの雰囲気に振り回されず、自分の持っている武器の1つにスタートアップが常にあるといいなと思います。

今井:それを踏まえた上で、なぜ起業家はIVSなどのイベントに行った方がいいと思いますか?

藤田:熱量は物理的に伝達すると思っているので、イベントに行ってさらに自分より挑戦してる人たちに触れ、当てられて自分が頑張るみたいなことをやった方が良いと思っています。

山田:1万人の人が来るということは、1万パターンの生き方が見えることだと思っています。それ自体が自分の生き方を肯定することになるので、このままでいいのかわからないという時に、例がたくさん見えることで生きやすくなると思っているからこそ、IVSのようなイベントに行くといいなと思っています。



日本各地のみならず、世界各国からスタートアップに関わる人が集まるIVS。その魅力は仲間探しや資金調達だけではなく、まだない未来を描き進む同志の熱量を感じられることにもあるのではないだろうか。描き方は違えど、それぞれにこうあってほしいと考える未来がある。熱量を分かち合い、目の前に立ちはだかる壁の乗り越え方を議論する場の存在が、スタートアップの成長につながっていくのだろう。


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文=西澤七海 編集=督あかり 写真=8bitNews

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