食&酒

2024.07.18 17:45

冷やし中華は家庭料理の定番に コンビニ離れと手間暇かける日本人の食文化

Getty image

Getty image

以前は「冷やし中華始めました」というのぼりを見ると「もうそんな季節か」と思ったが、近ごろでは「やっとかよ」と気候変動を実感する。そんな夏の定番、冷やし中華だが、調査によって意外な事実が判明した。

主婦向けの情報メディア「SHUFUFU」が20代から50代以上の男女200人を対象に行った調査によると、冷やし中華を食べる頻度は月に1〜2回という人が5割強、数回という人が3割弱だという。

また、冷やし中華を食べる場所は、8割近くが自宅と答えている。2位はずっと減ってコンビニ。ラーメン店、中華料理屋、ファミレスで食べる人は合わせても3割強。冷やし中華は家庭料理ということだ。

もっとも重要なトッピングを尋ねると、上からキュウリ、ハム、錦糸玉子、チャーシューと続く。とくにキュウリは3割を超える人が支持していて、これがなければ冷やし中華ではないとも言える。

ところが問題がある。冷やし中華を作るときに、もっとも手間がかかる工程はと聞くと、1位が「トッピングを切る」となっている。トッピングを買ってくる人は1割強と少数派だ。キュウリ、ハム、錦糸玉子は冷やし中華に欠かせないものの、通常それらはただ切るのではなく、「細切りに」する決まりになっている。たしかに、そのほうが冷やし中華らしいし、麺といっしょに食べやすい。だが、かなりの手間だ。錦糸玉子なぞは、焼くところから始めたら、もうご馳走レベルの手間だ。

それでも、コンビニで売ってるやつではなく、細切りのキュウリとハムと錦糸卵がたっぷりのせた冷やし中華を自分で作って食べたいと思えば、毎日というわけにはいかない。日本人の冷やし中華に対する強いこだわりの証だろう。ちなみに、タレは酢醤油派が6割弱と、ごまだれを抑えてトップだった。冷やし中華好きからすると、「どちらでもない」の6パーセントが非常に気になるところだが。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

タグ:

advertisement

ForbesBrandVoice

人気記事