音楽

2024.07.10 14:15

フジロックは激動の時代とどう向き合っていくのか スマッシュ佐潟社長インタビュー

コロナの収束以降、海外アーティストの来日公演は客の入りがいい状況が続いています。サブスクの音楽では体験できない感覚がライブにはやはりあるんだと思います。CDが売れなくなって久しい中、チケットの値段が上がってもお客さんがライブに付いてきてくれているのをみると、音楽業界において商品としても際立っている唯一無二のパッケージなのだと改めて実感します。

アジアのハブとしての日本へ

欧米では、ライブネーションのようにライブを軸にアーティストと専属契約を結んで、世界中で興行する形態も主流になってきていますが、それに少し危機感を持っています。

例えば、日本でもアジアをひとつのエリアとみなして、そこでの興行をパッケージとしてつくり、才能あるアーティストたちがアジアで拡がる仕組みを構築していくなど、自分たちも何かしらやっていく必要があるなと。(サマソニを運営する)クリエイティブマンの清水社長と、アジアをワンマーケットにしていく動きを一緒にできたら、といった話をしています。

K-POPがアメリカのプロデューサーをつけ、欧米基準のクオリティで世界で戦っているのとはまた違うアプローチで、どちらかというとアーティスト個人の才能を軸に置きつつも、自国に留まらせず、少なくともアジアに開いていきやすい環境を整えていきたい。

RADWIMPSやKing Gnuはすでにアジアツアーも成功させていますが、そういうアーティストをアジア全体で増やしていき、興行側と観客側をアジアでひとつの市場として回していくためのハブになっていく方法を考えています。

アジアの中で日本がそのハブになれる可能性はまだあるでしょうし、そういう構造をうまくフジロックにもいれこんでいくことができれば、フェス自体の魅力も増し、違う未来が見えてくるのではないかと思います。

文・ポートレート=山本憲資

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