一方、呼吸器系の問題や早産、死産、神経系や発達上の問題など、新型コロナウイルス感染症が母体や胎児に及ぼす深刻な健康への影響に関する証拠が増えており、現在では主要な保健機関は、妊婦が遅滞なくワクチン接種を受けるよう広く奨励している。また、母親が妊娠中にワクチンを接種した場合、生まれてきた乳児を生後約6カ月間、ウイルスから守ることができるとの研究結果もある。
米疾病対策センター(CDC)は、数十万人を対象とした世界中の研究から、妊娠前と妊娠中のワクチン接種は安全かつ効果的であり、妊婦と胎児の双方に有益であることが示されているとして、妊娠中のいずれの段階でもワクチン接種を推奨している。CDCは、mRNAワクチンは妊娠中の新型コロナウイルスによる重篤な症状やその他の健康被害を減らすだけでなく、胎児を守る防御抗体の構築にも役立つとしている。新型コロナウイルスワクチンを接種することによる利点は、妊娠中の接種に伴う潜在的なリスクを上回る。
副作用に関するデータ、特にまれなものについては得られるまでに時間がかかることがあり、特に妊婦のような比較的少ないサンプル数で把握するのは難しい。今回の研究結果は、単胎妊娠で生児出産に至った事例のみを考慮しており、死産などの事例は除外されている。研究チームは出現までに時間がかかる問題があることも認めており、今回の研究では生後4カ月以内に発生した問題のみが対象になったが、この期間については過去に確かな予測値を持つことが証明されていると説明している。
(forbes.com 原文)