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2024.06.06 00:00

「おこがましい」の意味と正しい使い方:例文と注意点を解説

「おこがましい」の意味とは?

「おこがましい」という言葉は、ビジネスシーンや日常生活で時折耳にすることがありますが、正しい意味や使い方を理解している人は少ないかもしれません。まずは、「おこがましい」の基本的な意味を確認しましょう。

「おこがましい」の基本的な意味

「おこがましい」とは、「身の程をわきまえず、差し出がましいさま」や「ばかげていること」を意味する言葉です。主に自分を謙遜する際や、相手に対する指摘や意見を柔らかく伝えるためのクッション言葉として使われます。

語源と由来

「おこがましい」は、古語「をこがまし」から派生しています。「をこ」には「ばかげている」や「愚か」という意味があり、これに「がまし」をつけて「おこがましい」という形容詞が生まれました。歴史的には、平安時代の『源氏物語』でも使われている古い言葉です。

「おこがましい」の使い方と例文

「おこがましい」を使うことで、自分の立場を下げつつ意見を述べることができます。ここでは、具体的な使用例を挙げてその使い方を見ていきましょう。

目上の人に指摘する場合

「おこがましい」は、目上の人に対して指摘や意見を述べる際のクッション言葉として非常に有効です。

【例文】

「おこがましいとは存じますが、その企画は再検討する必要があるのではないでしょうか。」

「私が言うのもおこがましいですが、今回の提案には賛成しかねます。」

クッション言葉で使う場合

「おこがましい」は、何かお願いや依頼をする際にも、謙虚な姿勢を示すために使うことができます。

【例文】

「おこがましいお願いで申し訳ございませんが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。」

「おこがましい意見をお伝えしたにもかかわらず、耳を傾けていただき感謝いたします。」

部下に注意する場合

上司が部下に対して「おこがましい」を使うのは、注意を柔らかく伝える手段として用いられますが、頻繁には使わない方がよいでしょう。

【例文】

「顧客に対しておこがましい言動をとるのは控えてください。」

「おこがましい態度を改める必要があります。」

「おこがましい」を使う際の注意点

「おこがましい」は便利な表現ですが、使い方を誤ると嫌味に聞こえることがあります。ここでは、使用時の注意点を解説します。

基本的に相手に対して直接使わない

「おこがましい」は、自分を下げるための表現であり、直接相手に使うと失礼にあたることがあります。特に、相手に対して「おこがましいですよ」と言うのは避けるべきです。

嫌味にならないように気を付ける

自分に対して「おこがましい」を使う場合でも、頻繁に使うと嫌味に聞こえることがあります。一度のやり取りで一回程度の使用が適切です。

「おこがましい」の言い換え表現

「おこがましい」を使いすぎるとくどく感じられることがあるため、言い換え表現を覚えておくと便利です。

僭越

「僭越(せんえつ)」は、「自分の地位や立場を逸脱して出過ぎたことをする」という意味で、「おこがましい」と同様に使われます。

【例文】

「僭越ながら、意見を述べさせていただきます。」

「僭越ながら、本日の案内を仰せつかっております。」

差し出がましい

「差し出がましい」は、「必要以上に他者の言動に口出ししたり関与したりする」という意味で、「おこがましい」と同様に使えます。

【例文】

「差し出がましいようで恐縮ですが、お手伝いできることはありませんか?」

不相応

「不相応(ふそうおう)」は、「その人の身の丈に合っていない」状態を意味します。

【例文】

「不相応のお願いで大変恐縮ですが、ご検討いただけると幸いです。」

「おこがましい」の適切な使い方を身につけよう

「おこがましい」は、ビジネスシーンや日常生活でのコミュニケーションを円滑にするための有効な表現です。適切に使うことで、相手に対する敬意を示しつつ、自分の意見や気持ちを伝えることができます。注意点や言い換え表現も覚えて、場面に応じた柔軟な対応を心がけましょう。

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