サイバー攻撃を受けたために1日の延期を余儀なくされたクリスティーズの「レアウォッチ」オークションが5月14日、ジュネーブで開催された。落札された貴重な腕時計の総額は2280万スイスフラン(約39億円)に上った。
クリスティーズのウェブサイトは「テクノロジー上のセキュリティの問題」から5月8日にオフラインになった。サイバー攻撃によってオンライン入札を受け付けることができなくなったにもかかわらず、クリスティーズは筋ジストロフィー研究支援を目的とする「Only Watch(オンリー・ウォッチ)」のチャリティオークションを続行したが、問題が解決するまで「レアウォッチ」オークションを延期した。
今回のオークションは、特別に製作された1点モノの腕時計や希少なアンティーク腕時計が注目を集め、コレクターが背景に逸話のある腕時計や珍しい来歴を持つ腕時計を探していることを証明するかたちとなった。
また、元レーシングドライバーのミハエル・シューマッハが所有するプライベートコレクションの中から8品の腕時計が出品され、合計400万スイスフラン(約6億8500万円)に近い金額で落札された。それらの中で最も高値がついた時計は、シューマッハが2004年に7度目のF1世界チャンピオンに輝いたときに、当時彼が所属していたフェラーリF1チームの代表を務めていたジャン・トッドから贈られたF.P.ジュルヌ「ヴァガボンダージュ」で、149万7000スイスフラン(約2億5600万円)で落札された。
シューマッハ6度目のF1チャンピオン獲得を記念して製作されたオーデマ ピゲ「ロイヤル オーク クロノグラフ」 (CHRISTIE'S)
シューマッハのコレクションの中で、もう1つ注目に値する時計は、やはりトッドから贈られたオーデマ ピゲの「ロイヤル オーク クロノグラフ」だ。2003年に6度目のF1世界チャンピオンとなった記念に製作された特別注文の文字盤には、フェラーリの「跳ね馬」エンブレムとF1ドライバーズ・タイトル獲得回数を示す6個の星、そしてシューマッハの赤いヘルメットが描かれている。落札価格は41万5800スイスフラン(約7100万円)だった。