3. 存在を認めてもらえる
育児は、時として報われない仕事に思われ、自分が知覚されない存在になったように感じてしまう場合がある。自分の子育てが誰かに認識されるだけで、自分の存在が認められている、評価されていると感じられる十分な効果がある。シェアレンティングを通して、親は、自分の苦労や頑張りが認められたと感じられるようになるのだ。2016年に発表された研究では、シェアレンティングは、自己実現したい、社会に認められたいという親のニーズを満たすことができ、「親の役割を果たすことができる自分」を周囲に示せる場だということが明らかになった。
シェアレンティングはさらに、親の心理状態を改善する力をもつ。思い出を記録し、親としてのアイデンティティを強化する手段となるからだ。2023年に発表された別の研究では、シェアレンティングによって、自分は親として立派にやっているという思いが生まれることがわかった。また、前向きな気分になり、一時的な幸福感も生まれるという。
シェアレンティングは、親同士がつながり、共有し、育児の喜びを祝福しあうプラットフォームだ。とはいえシェアレンティングには、慎重に、また責任をもって取り組むことが重要だ。
子どものプライバシーを守れるよう、事前策を講じる必要もある。投稿すべことと、すべきでないことの境界線を引き、子どものデジタルフットプリントを尊重し、オーバーシェアリングの悪影響を理解する。これらはどれも、シェアレンティングを行う上で不可欠なことだ。
こうした点を忘れないでいれば、親たちは、子どものウェルビーイングを優先させつつ、シェアレンティングによるメリットを享受することができるだろう。
(forbes.com 原文)