ストロマトライトは一般に、層状構造を持つ岩石に付随する種々の微生物群集のことを指す。ストロマトライトは現在も地球上に生息しているが、現生種は比較的小型になる傾向がある。また、現生種は海中に浮遊する砂粒などの砕屑物を捕捉して受動的に成長する。
それに対し、古代のストロマトライトは、周りの水からカルシウムと二酸化炭素を能動的に取り込み、周囲に無機物を沈殿させて、大型のマット状に成長したり、ドーム状の構造を形成したりすることができた。
現在では、世界にまばらに分布する希少な「生きている」現生ストロマトライトは概して、極めて厳しい環境に追いやられている。
国際チームによる今回の最新研究では、紅海にあるサウジアラビア・シェイバラ島で、浅海域に生息する生きたストロマトライトを発見したと報告している。
In their new #Geology article Volker Vahrenkamp & colleagues report the first discovery of living shallow-marine stromatolites in the Middle East on Sheybarah Island, Red Sea, Saudi Arabia. https://t.co/F92VbXAMkV #Stromatolites#LifeonEarth#Mars#Geoscience#Fossils@geosocietypic.twitter.com/vVH93Cr9og
— Geological Society of America Publications (@GSAPublications) February 26, 2024
ストロマトライトは、ラグーン(浅い湖)で繁栄している可能性が高い。ラグーンは水の塩分濃度と酸性度が非常に高く、環境が古代の地球に似ている可能性があるからだ。
初期のストロマトライトは、地球の酸化(大気中の酸素濃度の上昇)に大きな影響を及ぼした可能性が高い。20億年以上もの間、太陽光と水と二酸化炭素を利用して酸素を生成することで、今日知られているような酸素が豊富な惑星へと地球を変貌させた。
今回の研究をまとめた論文「Discovery of modern living intertidal stromatolites on Sheybarah Island, Red Sea, Saudi Arabia」は、地質学専門誌Geologyに掲載された。論文はここで閲覧できる。
(forbes.com 原文)