北米

2023.12.27 13:00

S&P 500が2年ぶりの高値更新、2023年のラリーを近年と比較

ニューヨーク証券取引所で働くトレーダー(Getty Images)

12月26日、主要株価指数が再び上昇し、投資家にとって、歴史的とはいえないものの好調な1年に向かっている。ダウ平均株価は過去最高の終値を記録し、S&P 500とナスダック総合指数は、2022年1月以来の高値で取引を終えた。

ダウ、S&Pおよびハイテク寄りのナスダックはいずれも、2023年の最後から4番目の売買立会で0.4%~0.5%上昇した。

反発が起きたのは1年で最も市場が静かな日で、S&Pの出来高は今年最低だった。これは過去2カ月間の勇気づけられる経済データの延長であり、サンタクロース・ラリーの兆候でもある。クリスマスと新年の前後の、取引高が減少し年末ボーナスが株式に注ぎ込まれる時期に見られる株価指数の傾向だ。

ダウは今年1年で13%上昇し、再投資分の配当を含めない2021年以来最高のリターンだった。

S&Pの伸びは24%で2021年以来最高、ナスダックは2003年以来最高となる44%の上昇だった。

年初の厳しい状況を踏まえると、今年のラリーは多くのトップ戦略家にとって驚きであり、主要3指数がそろって2008年以来最悪の年間リターンを記録した2022年の大損害の大部分を取り戻す結果となった。

それでも株価上昇は例年並みであり、1980年以降で12番目、テック企業が先導的役割を果たした2023年としばしば比較される1990年代後半のハイテクブームが記録した30%以上の上昇にはおよばない。

今年の上昇の大部分は、2度の濃密な期間に起きた。わずかな数の巨大テック企業に支えられた年初の人工知能ブームによるラリー、そして2024年の金利引き下げへの期待の高まりによる年末の高騰だ。連邦準備制度理事会の金利引き上げキャンペーン開始に対する市場の反応が、暴落の主要因であり、それは高金利は経済を減速させ、消費者と企業の支出を抑制するためだ。

もちろん、2023年の力強い回復がすべての資産クラスに影響を与えたわけではない。今年最大の敗者の中には、倒産したファースト・リパブリック・バンク、シグネチャーバンクおよびシリコンバレー銀行への投資家がいる。各銀行の株式の価値は一瞬にしてゼロになった。エネルギー株および公共株は商品相場の下落によってS&Pで最も成績の悪い部門となった。ファイザーとモデルナへの投資家は、新型コロナウイルスワクチンの収益減少によって、それぞれ40%以上持ち株が暴落した。

「強気市場は2024年に突入する見込みです。おそらく心配することは何もありませんが、そのこと自体が心配です」とYardeni Researchが26日の顧客向けメモに書き、オプション市場における弱気姿勢の強気姿勢に対する比率が歴史的に低いことを指摘した。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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