音楽

2023.12.27 11:00

アイナ・ジ・エンドが今「面白い」と思うのは?

90年代のエンタメを彩るサウンド

そんなアイナが「今、面白いもの」として挙げるのが、1998年放送のドラマ「GTO」(関西テレビ放送)。2024年春に「GTO リバイバル」(カンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ)が放送されると知り、観始めたという。

特に気になったのが、主演の反町が歌う主題歌「POISON〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」。反町が作詞も務めたこの曲がドラマの内容と溶け合い、回を追うごとに説得力を増していった。

自身も23年10月公開の映画『キリエのうた』で主演に加え主題歌「キリエ・憐れみの讃歌」の歌唱を務めたアイナだが、「主演俳優がドラマの主題歌を歌う例は少ない。毎週、反町さんの演技だけでなく歌まで楽しめるなんて、多くの人の生きがいになっただろうな」と思いをはせる。

“サウンド”に注目するのは、ゲームでも同じだ。あらためて今「面白い」と感じているのが、1998年にNINTENDO 64用ソフトとして発売された「ゼルダの伝説 時のオカリナ」のサウンド。ゲーム内で主人公がオカリナを使って奏でる曲を、アイナは「じとっとしていて切なさを含んでいる」と表現する。「昔は心にグサグサくる音色という印象で、怖かったんです。でも、怪しいコードをつかっているわけじゃないんですよね」

幼いころの自分がなぜ怖く感じたのかを知りたいと思い、「自分も演奏できるようになればわかるかも」と、最近オカリナを買って練習し始めた。「好奇心が強いので、何でもやってみたいんです」

日々揺れ動く感情のなかでも、「自分の根本にある軸の部分は、高校生くらいから変わっていない。理論めいていないことが好き」というアイナ。その軸こそが、鑑賞者の心をえぐるような表現力、創造力の源になっているのかもしれない。


あいな・じ・えんど◎2023年にTVアニメ「機動戦士ガンダム 水星の魔女」Season2 EDテーマ「Red:birthmark」をリリース、最終回挿入歌「宝石の日々」を書き下ろした。同年公開の映画『キリエのうた』では初主演、主題歌の歌唱、劇中曲の書き下ろしを担当。24年1月10日にはワンマンライブ「BACK TO THE (END)SHOW」をLINE CUBE SHIBUYAにて開催予定。

コート495000円、トップス53900円、スカート198000円、ネックレス38500円(ヌメロ ヴェントゥーノ/イザTel:0120-135-015)サンダル91300円(ディーゼル/ディーゼル ジャパンTel:0120-55-1978)

聞き手=白武ときお 文=田中友梨 写真=ヤン・ブース ヘアメイク=Tamayo Yamamoto スタイリング=Ai Suganuma

この記事は 「Forbes JAPAN 2024年2月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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