モビリティ

2023.12.03 08:00

電動キックボード、危険な乗り方は「交通ルールを知らないから」?

2つめの調査では、電動スクーターの規制における4つの重要な項類(自転車専用レーンについて、電動スクーターの駐車について、速度違反や制限速度の順守について、幹線道路における走り方について)に対する理解度を、電動スクーター乗車者と非乗車者にわけて評価した。また、電動スクーター乗車者には、前記の4つの項類について、どのように対応するかを尋ねた。

この調査によると、電動スクーターの乗車者も非乗車者も、これらすべての項類に関する規則をほとんど知らなかった。一部の被調査者は、歩道で電動スクーターに乗ってもよいと思いこんでいた(日本の場合については後述)。

3つめの調査は、電動スクーター乗車者と非乗車者に、英国の公道における12の仮想シナリオを提示し、それにどのように対応するか、それぞれの状況が合法か違法かを知っているか、合法でなくても電動スクーターにそのような乗り方をするかどうかを尋ねた。

その結果、約46%の電動スクーター乗車者が、規則を知っていたら違法な乗り方はしないと回答したが、9%強の乗車者は、それがたとえ法律違反だと知っていても、違法な乗り方をするだろうと認めた。

普段電動スクーターに乗らない非乗車者のほうがわずかに低く、約37%が法律を知っていたらそれに従うと答え、約6%が違反とわかっていても不適切な乗り方をするだろうと回答した。

「法規をよく知っている乗車者ほど、一貫して規則を遵守した乗り方をしていることがわかります」と、べンティスラボワ博士はいう。「つまり、訓練プログラムに参加し、規則に対する認識を高め、より安全な乗り方をするように促すことが、最終的に衝突事故を減らすことにつながるのです」

「これらの対策を導入することによって、幅広い年齢層の利用者が増え、電動スクーターを今のような主に楽しみのための乗り物から、合理的な交通手段へと移行させることも可能になるでしょう」と、べンティスラボワは続けた。

この調査については、NTUの公式サイトで動画で紹介されている。報告書の全文は『ScienceDirect』で読むことができる。

forbes.com 原文
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翻訳=日下部博一

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