ヴォック社の共同創業者でプロダクト責任者のシーム・シュタルケは、ラストワンマイルの配送用の電動カーゴバイクを製造する同社が、将来的に米国市場に参入したいと考えていると語った。
ニューヨークの市当局は最近、ヴォック社の製品のような四輪バイクを自転車レーンで使用できるようにするためのルールの変更を視野に入れた公聴会を開催した。これらの四輪バイクは、物流業者がラストワンマイルの配送に使用するためのものだ。
「ニューヨークではかつて、カーゴバイクの自転車レーンへの乗り入れが禁止されていたり、自転車に分類されていなかったりしたが、そのルールが変わる可能性がある」とシュタルケは言う。
ニューヨーク市は、他のいくつかの大都市と同様に、二酸化炭素(CO2)排出を抑制するための「渋滞税」の導入を検討している。そのため、電動カーゴバイクは、都市部の配送業者にとって魅力的な選択肢になるかもしれないとシュタルケは述べている。
「例えば、洗濯代行サービスを行う企業の場合、毎日大量の洗濯物を配送する必要があるが、ガソリン車を用いた配送に、渋滞税がかかるとしたらコスト負担が増える。そのため、企業は他の選択肢を探している」
現状のニューヨークの規則は、四輪自転車の自転車レーンの走行を認めておらず、自転車の車体と荷物の大きさが制限されている。ただ市当局は2019年、荷物の配達員を対象としたカーゴバイクの試験プログラムを開始していた。
今年6月に380万ユーロ(約6億円)の資金を調達したヴォック社は、この分野の小規模なプレーヤーだが、ニューヨークが新たな市場として開かれることは大きな意味を持つ。現在の同社にとっての最大の市場は英国やドイツ、母国のエストニアなどで、英国では郵便事業会社のロイヤル・メールにカーゴバイクを提供するための入札を視野に入れている。
シュタルケによると、ヴォック社の主な顧客は郵便事業者や配送業者だという。
「彼らは皆、環境に優しい選択肢を模索しており、通常は小規模な台数から始めているが、幸運なことに当社の顧客はすべて、1年後にさらに台数を増やしている。また、物流をカーゴバイクに切り替える大企業も増えている」
(forbes.com 原文)