『Starfield』発売から2カ月経っても驚異的な人気続く

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今年は完成度の非常に高いゲームが数多く登場しており、マイクロソフト傘下ベセスダ・ソフトワークスの新作『Starfield』が「ゲーム・オブ・ザ・イヤー(GOTY=年間最優秀ゲーム賞)」の栄冠を狙えるとは思えない。各メディアが選ぶトップ5~6のタイトルに入るかどうかも疑わしい。だが、同作の業績は、先に発売された『ホグワーツ・レガシー』と同じく非常に好調であり、発売から2カ月以上が経った今も多くの人にプレイされ続けている。

マイクロソフトは『Starfield』の発売から間もなく、同作の累計プレイヤー数が600万人を超え「ベセスダ史上最大のローンチ」となったと発表したが、私はこれについて懐疑的だった。同作はサブスクリプションサービスの「Game Pass」に含まれているため、プレイヤー数が多いことは驚きではない。プレイヤーの多数はGame Pass利用者であるため、正確な販売本数を知ることはできない。

しかし私はその後、折を見て『Starfield』の状況を確認するたびに、非常に感心させられてきた。同作はシングルプレイのゲームで、ベセスダの他タイトルのようにPvP(対戦)や協力プレイはできず、MODの公式サポートでさえも未実装だ。また「ニューゲームプラス」モードで繰り返し遊べるものの、エンディングは比較的かっちりした終わり方となっている。

にもかかわらず、発売から2カ月が経った『Starfield』は、Xboxのプレイヤー数が『フォートナイト』『Call of Duty』『Roblox』『レインボーシックス シージ』『NBA 2K24』『エーペックスレジェンズ』といった大型マルチプレイタイトルに次ぐ6位で、7位以降の『GTAオンライン』『Madden NFL 24』『オーバーウォッチ』『ロケットリーグ』、さらには『マインクラフト』さえも上回っている。

これはPCゲーム配信プラットフォームのSteam(スチーム)でも同様だ。『Starfield』の同時プレイヤー数は驚くほど安定しており、多い日で5万人に達している。プレイヤーが徐々に減っているのは確かだが、シングルプレイタイトルが発売から2カ月経ってもこれほどの人気を維持することは、めったにない(『Baldur's Gate 3』はもっと多いが、同作は主にPC向けの作品だ)。また、『Starfield』はPC Game Passでも提供されている。そうではなくSteamのみで配信されていれば、この数字はもっと高くなっていただろう。

最後に、Xbox全体の業績をみてみよう。前四半期の売上高は39億ドルで、第1四半期としては過去最高となった。これは、少なくとも部分的には『Starfield』のおかげだ。同作の発売にともない、Xbox Game Passでは1日の新規加入者数が過去最高を記録。同四半期のコンテンツ・サービス収入は13%増加し、ハードウエア販売の7%減を相殺した。驚くべき効果だ。

マイクロソフトのベセスダ買収と複雑な販売方法のせいで、『Starfield』がどれほど成功したのかを測るのは非常に難しい。もしベセスダが今も独立していたら、PC、PlayStation、Xboxの販売本数を知ることができたはずで、その数字は相当なものとなっていただろう。『Starfield』が今年のゲーム賞を総なめにすることはないだろうが、細かなデータをみていくと、本作がいかに好調であるかがわかる。

forbes.com 原文

翻訳・編集=遠藤宗生

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