バン・ベルによると、オリオン座のベテルギウスのような超巨星は、典型的な例だ。より小さな巨星に比べて、中心核の温度がはるかに高くなっている。超巨星は、水素やヘリウムよりも重い元素の核融合を起こすことができる。だが、超巨星はその途方もなく大きな質量を支えるために、燃焼がはるかに速いペースで進むため、燃料を使い果たすと、中心核が超新星になるという。
巨星観測の重要性
バン・ベルによると、星は宇宙の構成要素で、惑星系から銀河までを形成しており、またすべての重元素も星によって作られている。今回の研究は、特定の巨星の大きさや温度に関する裏づけデータが必要な天文学者には、あらゆる場面で助けになると、バン・ベルは主張する。これでこの星の真の色がわかったので、半径を求めることができると、天文学者らが言えるようになるわけだ。
太陽の最終段階について今回の研究で明らかになったこと
バン・ベルによると、太陽は水素殻燃焼を始める時点で、現在の約80倍の大きさにまで膨張する。だが、ヘリウム核燃焼が始まる段階では、逆に少し収縮する。そして数億年後、太陽は再び膨張し、現在の約200~300倍の大きさの巨星として一生を終える。バン・ベルのいう「恒星が年を取るにつれてどのように振る舞うかに関するかなり正確なサンプル集」を提供することで、太陽が今から約50億年後に中心核の水素燃料を使い果たしてからどのように振る舞うかをより正確に描くことができるようになる。水星や金星、おそらく地球も、赤色巨星として膨張する太陽に飲み込まれてしまうだろう。
まさにこの終末期に、太陽は膨張し過ぎて、結果的にまるで煙の輪のように消散してしまい、あとには元の中心核があった位置に超高密度の星の残骸である白色矮星だけが残るとバン・ベルは説明した。
(forbes.com 原文)