宇宙

2023.10.31 14:00

1年で最も大きく明るい「惑星の王さま」木星を最高の条件で見るには

ハッブル宇宙望遠鏡から見た木星。2020年8月25日(NASA, ESA, A. Simon (Goddard Space Flight Center), and M. H. Wong (University of California, Berkeley) and the OPAL team.)

ハッブル宇宙望遠鏡から見た木星。2020年8月25日(NASA, ESA, A. Simon (Goddard Space Flight Center), and M. H. Wong (University of California, Berkeley) and the OPAL team.)

太陽系最大の惑星である木星が、輝ける衛星たちとともに、11月3日金曜日に2023年で最も大きく、最も明るくなる。

また木星は、今後数週間数カ月にわたって夕暮れに昇り、明け方に沈む最適な位置にあり、長い時間輝き続ける。

2023年11月3日の「衝」は、木星が最もよく見える今月最大のイベントだ。小型望遠鏡か、双眼鏡を持っている人は、木星のピンクがかった帯状の模様と大きなガリレオ衛星、ガニメデ、カリスト、エウロパおよびイオを見るまたとないチャンスとなる。

2023年で最も大きく、明るくなる木星を見るために必要なことを以下に記す。

木星の「衝」とは

木星の衝は、他の外惑星の衝と同様、地球からの視点に基づく現象だ。地球が木星と太陽の中間を通過するときに起きる。その位置関係によって、地球から見た木星は太陽の光を受け100%輝いて見える。そのため、このときに木星は2023年で最も明るく美しい。

木星は太陽を12年周期で公転し、地球は1年で公転しているため衝は13カ月ごとに起きる。

衝は太陽系で地球より外側にある惑星である火星、木星、土星、天王星および海王星のみで起きる。内惑星である水星、金星と太陽の間に地球が位置することはないからだ。

木星の見頃は?

実のところ、11月3日まで待つ理由はない。衝の前後数週間、木星はほぼ全体が輝き、驚くほど美しい。10月中旬から11月下旬にかけて、木星は非常に明るく輝いて見える。

小型望遠鏡があれば一番だが、双眼鏡でもガニメデ、エウロパ、カリスト、イオを簡単に見ることができるだろう。

地平線近くでかすみに視界を妨げられるのを避けるために、空高く昇ってから観察するのが良い。

「衝」が重要である3つの理由

木星は今後数カ月間ずっと美しく見えているが、衝に近い時期を逃してはならない理由がある。

・木星が1年で最も大きく見える
・木星1年で最も明るくなる
・木星がひと晩中「出て」いる。日の入り近くに昇り、日の出近くに沈む(このため、東の空で「木星の出」を、西の空で「木星の入り」を見ることができる)

夜空で木星を見つけるには

木星は現在、おひつじ座とくじら座の星々の間を移動している。見つけるには、日の入りから1時間ほど待って東の空を見上げる。地平線の上に昇る明るい光を見逃すことはないだろう。

木星で次に何が起きる?

衝は一瞬の出来事にすぎない。地球が太陽を周回して木星から離れていくにつれ、夜空の木星は徐々に暗くなり、早く昇るようになり、最終的には西の空で日の入り直後に見えるようになる。

木星が次に衝を迎えるのは2024年12月7日だ。

forbes.com 原文

翻訳=高橋信夫

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