北米

2023.11.01 16:00

米国防総省、「UFO目撃情報」の報告窓口をウェブ上に開設

安井克至

Photo by Celal Gunes/Anadolu via Getty Images

米国防総省(ペンタゴン)は10月31日、米政府の現職または元職員らが、UFO関連の情報を提供するための「報告フォーム」をウェブ上に開設したと発表した。同省は、今から1年以上前にUFOなどの未確認異常現象(UAP)を扱う「全領域異常対策室(AARO)」を開設したが、これまで目撃情報を報告するホットラインは存在しなかった。

政府職員らは直近の、もしくは過去の目撃情報をAAROのウェブサイトに報告できる。同事務所の責任者であるショーン・カークパトリックに取材したニュースサイトPoliticoによると、民間人向けの報告フォームも近々開設予定という。

ここに集まった報告は、AAROの報告書にまとめられ、2024年6月までに議会に提出される予定という。この報告書はまた、UFOなどの異常現象に関するAAROの独自の調査にも使用される。

一般市民が報告を提出可能になる時期はまだ不明とされている。カークパトリックは、Politicoの取材に対し「ペンタゴンは、安全な報告メカニズムの第3段階として、一般市民からの報告をどのように取り込むかを模索している」と語った。

米国家情報長官室は2021年6月に発表した予備報告書の中で、軍用機によって報告された144件のUFOの目撃情報のうちの143件が「実態を解明できない」としていた。ペンタゴンと米国情報機関は最近、この問題に関するデータの質が高まるにつれて、これまで調査してきた報告のほとんどが「通常の現象」で説明できるようになるだろうと述べていた。
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UFOなどの未確認飛行物体を扱うAAROのオフィスは昨年7月に、国防情報局のミサイル・宇宙情報センターの元主任科学者のカークパトリックらを中心に設立された。彼は科学技術情報分野で数年の経験を持ち、国家安全保障会議と米戦略軍でのさまざまな役職を経て、現在の職務に就いている。

ペンタゴンは、今年8月下旬にAAROのオフィスのウェブサイトを開設した。Politicoによれば、報告フォームの立ち上げが遅れたことで、議員やUFOの目撃者から批判が巻き起こったという。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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