通信インフラの高速化と低消費電力化、オールフォトニックネットワークとは

プレスリリースより

全国をむすぶ情報ネットワークは、今後、通信速度が飛躍的に高くなり、やり取りされるデータ量は指数関数的に増大する。そうなるとネットワークを運営するための消費電力が膨大になり、二酸化炭素排出量はどんどん増えてしまうという心配がある。

そこでKDDIは、WDM用の光信号を直接送受信できるシスコシステムズ製のルーターを導入してトランスポンダーを廃止した。さらにWDM転送装置は、他社製品との接続も可能で最新技術の適用が容易な富士通のオープン・ライン・システム(OLS)に置き換えた。これにより使用する機材をスリム化して、通信効率と省電力化を達成したというわけだ。

たとえば通信容量を拡張しようというとき、従来のシステムでは、ルーター、トランスポンダー、WDMのハードウェアの追加やソフトウェアの更新が必要だったが、新しいシステムならルーターの追加または設定変更だけで済む。KDDIは、すべての通信を光信号で行う「オールフォトニックネットワーク」の構築を進めている。それが実現すれば、メトロネットワークだけでなく、ネットワーク全体にこうした恩恵がおよび、超高速化、低コスト化、低消費電力化が同時にかなう。今回の改善は、その最初の取り組みとのこと。

ビヨンド5Gの時代には、世界中のすべての人が、あらゆる場所で自分の能力を最大限に発揮して平等に社会貢献できる夢のような世界が実現すると期待されているが、その代償として環境が破壊されては意味がない。ネットワークの飛躍的な高速化には、飛躍的な省電力化という課題がともなっているということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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