気温が下がり、日が短くなると、多くの樹木は冬に備えて自らを変化させる。一般的に、落葉樹は葉が薄く、低温に弱い。冬の間も葉が枝についたままだと凍結により光合成ができず、無用の長物となってしまうため、樹木や植物は秋になると葉を落とす。
その際、光合成を行う化学物質クロロフィル(葉緑素)の生産が止まることで、それまで緑色だった葉が鮮やかなオレンジ、赤、茶色に変わり、やがて落ちていく。問題なのはそこからだ。
葉にはワックスやタンニン、花粉、樹液、酸性化合物が含まれている。葉が分解され、水分と混ざり合うと、さまざまな化学物質が浸出するため、コンクリートやタイルが汚れたり、水たまりの水が変色したり、車の塗装が傷んだりする。
自動車の専門家で車専門ニュースサイト、カー・コーチ・レポートのアナリスト、ローレン・フィックスは「葉や雨に含まれる酸は、塗装の表面に塗られているクリアコートに染み込み、損傷させる」と説明する。そうなると、見た目が悪くなるだけでなく、下取りに出すときの価値にも影響してしまう。「ハチの糞や樹液、自然堆積物などが塗装された表面に付着していると、消えない跡が残り、車の価値を下げる可能性がある」(フィックス)
新旧を問わず、車はダメージを受けやすい。濃い色の車の所有者は、塗装の染みや傷とは無縁だと思っているかもしれない。たしかに、そうした車の損傷は肉眼では確認しずらいが、落ち葉による損傷は車の年式や色に関係なく発生するものだ。落ち葉が塗装に付着している時間が長ければ長いほど、損傷はひどくなる。
落ち葉が車の塗装に付着するのを完全に避けることができない場合もあるだろう。それでも、ダメージを最小限に抑える予防策はある。「ワックスをしっかり塗っておけば、数カ月は保護することができる」とフィックスは言う。さらに「究極の解決策はセラミックコーティングかペイントプロテクションで、専門店で施してもらえる。費用はそれなりにかかるかもしれないが、車の外観を守る最高の保険であり、新車であれば尚更だ」とのことだ。
車が落ち葉で覆われている場合は、除去するのが一番だ。ただ、拭き取ると塗装に傷がつく可能性があり(濡れた葉には汚れの微粒子が付着している)、ブラシをかけたり吹き飛ばしたりすると、酸性化合物が広がる可能性がある。目立つダメージがある場合は、染み専用の洗車用薬品を試してみるといい。ウォータースポット除去剤やクリーナーワックスを使えば、たいていの染みは落ちる。市販の薬品で落ちない汚れやダメージがある場合はプロの洗浄サービスを利用するべきだ。
そして今後は、紅葉している木の下には駐車しないようにしよう。
(forbes.com 原文)