打ち上げられたプロトタイプ衛星は、今後6年間でProject Kuiperを通じて配備される3200機以上の衛星の最初のバージョンとなる。その半数は規制による期限により2026年7月までに打ち上げられる必要がある。
アマゾンはProject Kuiperに100億ドル(約1兆5000億円)を投資することを明言している。ワシントン・ポストによれば、このプロジェクトはインターネット接続を必要とする推定40億人を対象にした、利益性の高い衛星インターネット市場で足場を固めることを目的としている。
このプロジェクトは、イーロン・マスクの航空宇宙企業スペースXが提供するスターリンクインターネット衛星の競合となる日がいずれ来るだろう。スペースXは、現在地球を周回する4000機以上の衛星を有し、圧倒的な先行性を誇っている。
10月6日の打ち上げは、フロリダのケープ・カナベラル宇宙軍基地でアトラスVロケットを使って行われた。一連のテストのために2機の衛星が地表から311マイル(約500km)上空を周回することになる。
Project Kuiperの技術担当副社長のラジーヴ・バディアルは、この日「アマゾンが宇宙に初めて衛星を送り込みました」との声明を発表した。これは、ジェフ・ベゾスの宇宙企業であるブルーオリジンがロケットを軌道に投入できる前に達成できた成果だ。
アマゾンは、Project Kuiperで予定される衛星の打ち上げをサポートするために、83回分の打ち上げを購入した。このうち27回の打ち上げはブルーオリジンから調達され、残りはフランスのアリアンスペースと米国のUnited Launch Allianceから調達された。
ニューヨーク・タイムズによれば、打ち上げを提供する会社の関係者は、Kuiperの打ち上げの期限は守れると語っている。またロイター通信よれば、アマゾンはKuiperを通じて個人消費者や企業向けに衛星インターネットを提供しようとしており、1台あたり400ドル(約6万円)のコストで消費者向け端末を開発する予定だという(消費者の負担額は未定)。消費者向け端末を599ドルで販売するスペースXのスターリンクのような規模になるには、まだ時間がかかるだろう。
なおアマゾンは、スペースXによるより安価な打ち上げを検討するための十分な事前調査を行わなかったとして、株主からの訴訟に直面している。株主たちは、ベゾスとマスクの対立が、ブルーオリジン、フランスのアリアンスペース、米国のUnited Launch Allianceからの購入に影響を与えたと主張している。
(forbes.com 原文)