FTCが公表した訴状では、プロジェクト・ネッシーの具体的な内容の説明を含め、多くの部分が黒塗りされている。だが、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は、黒塗り部分の内容を知る関係者の話として、このアルゴリズムは、競合他社が追随する形でどれだけ価格をつり上げられるかを試すために使用されていたと報じた。
WSJによれば、このアルゴリズムは、アマゾンのネット通販分野での地位を利用し、競合他社の価格変動にどれほど影響力を与えられるかを追跡。競合他社が価格をアマゾンの水準まで引き上げなかった場合、自動的に通常価格に戻す仕組みだった。
またアマゾンは、このアルゴリズムを使い、競合の割引価格に合わせて商品の値下げを実施。競合他社の一部がセールを終了しても、アマゾンは割引価格を維持できるようになっていた。アルゴリズムは現在使われていないものの、アマゾンに10億ドル(約1490億円)以上の収益をもたらしたという。
フォーブスはアマゾンにのコメントを求めたが、今のところ回答はない。だがアマゾンの代理人弁護士は先週、WSJ紙に対して「もし彼ら(FTC)が勝訴すれば、私たちが低価格を提供し目立たせるために行っている多くのことをやめざるを得なくなり、反競争的で反消費者的な結果となる。それは、反トラスト法の目標とは正反対だ」と主張した。
FTCは先週、オンライン小売業における独占を違法に保護しているとして、17州の司法当局と共にアマゾンを提訴。アマゾンを「独占企業」と批判し、ネット通販で「独占力を違法に維持」するために、一連の「反競争的で不公正な戦略」を用いていると主張している。
(forbes.com 原文)