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2位のAmazonを追撃する今話題のスタートアップJet.com(Courtesy of Jet.com)



今のテック市場がバブルだという証拠を得たければ、スタートアップの資金調達状況を調べてみるのが良いだろう。調べる対象はUberやAirbnbクラスではなく、ステルス状態にあったり、プロダクトをまだ一つも売っていない段階のスタートアップだ。

フォーブスでは今回、プロダクトのローンチ前に大規模な資金調達に成功したスタートアップのリスト作成を試みた。その結果、1億ドル(約120億円)以上の資金を獲得した企業が3社存在し、ここに挙げた11社は合計で12億ドル(1448億円)をシードラウンドで調達していることがわかった。その詳細をランキング形式でお伝えする。

1位を獲得したのは、Magic Leap。今話題の拡張現実分野のスタートアップだが、実物の製品を見た者はほとんどいないだろう。同社のウェブサイトには、「今こそ世界に魔法をかける時だ」というスローガン以外にはほとんど記載がない。しかし、同社が開発した技術「Digital Lightfield」はラリー・ペイジや Googleを唸らせたことは間違いない。

昨年11月のシリーズBでは、Googleが筆頭となり、5億4,200万ドルの大型ラウンドをとりまとめた。このラウンドには、Qualcomm、KKR、Vulcan Capital、Kleiner Perkins Caufield& Byers、Andreessen Horowitz、Obvious Venturesなども参加している。これまでにMagic Leapが調達した総額は、5億9,200万ドルにも上る。

2位のJet.comは、Amazonを追撃する今話題のスタートアップだ。創業者のマーク・ロアは、Jet.comの前に立ち上げたEC企業を、Amazonのジェフ・ベゾスに売却している。マーク・ロアはJet.comをオンライン版のCostcoにしたいと考えている。Jet.comは先月ベータ版を数千人の関係者限定で公開したばかりだが、既に2億2,500万ドルを調達している。投資家には、中国ECの王者、アリババも含まれている。

3位は、これまでステルス状態にあったビットコインベンチャーの21 Inc。2013年に500万ドルを調達すると、18ヶ月後のラウンドでは、ビットコイン業界では最高額となる1億1,600万ドルを調達した。21 Incはスマートフォンをはじめ、インターネットにつながるあらゆるデバイスに独自のビットコイン採掘チップを埋め込むとしているが、まだコンセプト段階で、実現には至っていない。

4位のAdKeeperと5位のColorは、ここまで紹介した企業の中では最初の失敗事例だ。AdKeeperは2011年1月に4,300万ドルを、Colorは同年3月に4,100万ドル(Sequoia Capitalによる2,500万ドルを含む)を、いずれもプロダクト・ローンチ前に調達している。AdKeeperは、新聞広告で見つけたクーポンをクリッピングするように、気になったオンライン広告を保存できるサービスだったが、誰も欲していない機能だった。

画像共有アプリColorの失敗も、教訓となる事例だ。Googleによる2億ドルの買収提案を蹴ったものの、ユーザー数は伸び悩み、Instagramに抜き去られたのち、2012年にサービスを閉鎖し、Appleが人材獲得を目的に1,000万ドル以下で買収をした。

6位のOscarはローンチ前に4,000万ドルを調達し、ビジネスの先行きは前述の2社に比べて遥かに有望に見える。OscarはベンチャーキャピタリストのJosh Kushnerが2013年に立ち上げた健康保険スタートアップだ。オバマケアの開始を受け、ニューヨークを拠点に新たな保険市場に参入をして成功を収めている。4月に実施したラウンドでは、評価額15億ドルで1億4,500万ドルを調達している。

7位のAirwareの評価はまだ定まっていない。Airwareは商業用ドローンのソフトウェア・プラットフォームを構築しているスタートアップで、2014年7月のシリーズBでは、KPCBを筆頭に2,500万ドルを調達し、これまでに総額4,000万ドルを調達している。当時の発表では、資金の使途は、「2014年後半に予定されているプラットフォームのローンチに向けた準備のため」とされていた。

Airwaveの後は、また無残な失敗例が二つ続く。一つはCuilという検索エンジンのスタートアップで、Googleを追撃する予定だった。ローンチ前の2008年7月に3,300万ドルを調達したが、2年後には事業を撤退した。二つ目のAirtimeは、Napsterを創業したショーン・パーカーとショーン・ファニングが始めたスタートアップで、3,300万ドルを調達し、2012年6月に華やかなデビューを飾った。Airtimeは、ビデオチャットサービスを提供したが、類似サービスのChatRouletteと比較され、ユーザーを獲得できずに2014年にはサービス名称を変更して再リリースしている。

対照的に、10位のZillowがサービスローンチ前に調達した3,200万ドルは、投資家たちに素晴らしいリターンをもたらした。不動産データベースのウェブサイトを運営するZillowは、2006年2月にサービスを立ち上げ、2011年にIPOを果たした。以来、順調に成長を重ね、現在の時価総額は50億ドルを超える。

11位には悪名高いClinkleがランクインした。ここ数ヶ月で多くの従業員が同社を去っている。24歳の若きCEOであるルーカス・デュプランは、モバイルペイメントで金融サービス業界に変革をもたらすというアイディアで3,000万ドルを調達した。しかし、機能するプロトタイプをつくることができず、次第にVenmo、Square、Apple Payに追い抜かれ、計画は失敗に終わった。下記に11社を資金調達額順にあげた。



1位:Magic Leap
事業分野:拡張現実
調達額:5億9,200万ドル

2位:Jet.com
事業分野:Eコマース
調達額:2億2,500万ドル

3位:21 Inc
事業分野:ビットコイン採掘
調達額:1億2,100万ドル

4位:AdKeeper
事業分野:オンライン広告保存
調達額:4,300万ドル

5位:Color
事業分野:画像共有
調達額:4,100万ドル

6位:Oscar
事業分野:健康保険
調達額:4,000万ドル

7位:Airware
事業分野:ドローン
調達額:4,000万ドル

8位:Airtime
事業分野:ビデオチャット
調達額:3,300万ドル

9位:Cuil
事業分野:検索エンジン
調達額:3,300万ドル

10位:Zillow
事業分野:オンラインの不動産データベース
調達額:3,200万ドル

11位:Clinkle
事業分野:モバイルペイメント
調達額:3,000万ドル

文=ブライアン·ソロモン(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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