同様にウズベキスタンでも、2022年7月のカラカルパクスタン暴動で何が起こったのか、正確にはわかっていない。カラカルパクスタンは旧ソ連時代から続く自治共和国で、経済をウズベキスタンに大きく依存する隔絶された貧しい地域だ。自治政府はウズベキスタンとの統合を望んでいたようだが、そのための憲法改正案をウズベキスタン政府が発表すると、カラカルパクスタンでは暴動が発生し、流血の事態となった。その経過はアルマトイで起こったことと不気味なほど似ていた。
ロシアの手は、セルビアやブルガリアなど遠く離れた国にまで伸びている。帝政ロシアの介入によってオスマン帝国の「くびき」を逃れた東欧諸国には、救世主たるロシアへの共感が根強く残る。ウクライナ侵攻を目の当たりにしてブルガリア人はついに目を覚まし、最近は欧州との結びつきを支持する傾向にある。
しかし、セルビア人はいまだに自分たちを迫害されたスラブ人だと考えており、ユーゴスラビア紛争での自分たちの残虐行為や今日のロシアの戦争犯罪に目をつぶっている。そして、コソボで挑発を繰り返して、ロシアを北大西洋条約機構(NATO)の対抗勢力にしようとしているように見える。バルカン情勢に詳しい著名なコメンテーターで米シンクタンク民主主義防衛財団(FDD)に在籍するイヴァナ・ストラドナーは、自国の利益のために他国を傷つけ搾取するロシアのやり方についてしばしば指摘している。ストラドナーはセルビア出身で、コソボを狙った扇動を何カ月も前から警告してきた。
今、その警告が正しかったことが証明されつつある。西側諸国は早急に、クレムリンの世界的な戦術、その歴史と将来、そして地政戦略学的な脅威のおよぶ範囲について理解すべきだ。
(forbes.com 原文)