「生成AIは魔法のようなもので、ユースケースの幅広さと深さは驚くべきものだ。しかし、大規模言語モデル(LLM)を用いたPoC(概念実証)は容易に構築できるものの、実際に導入する堅牢なアプリケーションの構築と管理には、膨大な時間とリソースが必要だ」とPortkey.aiの共同創業者であるロヒト・アガルワル(Rohit Agarwal)は話す。アガルワルは、アユシュ・ガルグ(Ayush Garg)とともに同社を設立した。
Portkey.aiのユーザーは、同社のプラットフォームを介してOpenAIやAnthropicといったLLMプロバイダーと直接繋がり、生成AIを用いたアプリを開発する業務の多くを自動化することができる。同社の目標は、クライアントがより複雑なアプリをより多く、より迅速に開発できるようにすることだ。
アガルワルは、ソフトウェアライフサイクルのさまざまな段階で有用な機能を提供できることがPortkey.aiの強みだと考えている。同社のプラットフォームは、ユーザーを複数のLLMプロバイダーと接続し、実験とイノベーションを支援し、アプリの稼働後はセキュリティとコンプライアンスのソリューションを提供する。また、パフォーマンス監視ツール群によって透明性が向上し、ユーザーは自社のアプリを誰がどれだけ効果的に使用しているか追跡することが可能だ。
生成AIへの関心が爆発的に高まる中、企業に役立つツールを見出し、開発を支援できる専門家のビジネスチャンスは拡大している。マッキンゼーは、生成AIの導入によって60を超えるユースケースで年間2兆6000万~4兆4000万ドル相当の生産性向上につながると推定している。しかし、同社は、レポートの中で次のように警告している。
「この技術の利点がフルに実現するまでには長い時間を要し、ビジネスと社会のリーダーは多くの課題に対処しなければならない」