昭和の経営者から令和のアスリートまで心酔した天風 7つの格言
これまで「天風会」には、さまざまな方が参加されています。私のまわりの経営者をはじめ、大企業の創業者も中村天風に学んでいました。破天荒な幼少期は、そのヤンチャさから「人斬り天風」と言われていた中村天風の荒いながらも真実を突いた語録を、原文そのままに羅列してみましょう。
格言1:「信念、それは人生を動かす羅針盤のごとき尊いものである。従って信念なき人生は、ちょうど長途の航海のできないボロ船のようなものである」
格言2:「人生は生かされているんじゃない。生きる人生でなきゃいけない」
格言3:「絶対に消極的な言葉は使わないこと。否定的な言葉は口から出さないこと。悲観的な言葉なんか、断然もう自分の言葉の中にはないんだと考えるぐらいな厳格さを、持っていなければだめなんですよ」
格言4:「言葉には人生を左右する力があるんです。この自覚こそが人生を勝利に導く最良の武器なんですよ」
格言5:「他人に好かれる人になりなさい。では、どうすればいいか? やさしく教えるよ。
いいかい、他人に好かれようと思ったら、何よりも自分があまり好き嫌いのないようにすることであります。自分自身があまり好き嫌いがはなはだしいと、自分もまた、やはり他人から好き嫌いに扱われます。ですから、常に嫌いだと思う相手には、つとめて親切にして、やさしくするような気持に自分を仕向ける、ということですよ。単純なことです」
格言6:「人間が人間として生きていくのに一番大切なのは、頭の良し悪しではなく、心の良し悪しだ」
格言7:「やれ運命がつまらないの、人生がつまらないのって人は、その考えがつまらないんです。いいですか、幸福も健康も成功も、ほかにあるんじゃないですぜ。あなた方自身のなかにあるんだぜ」
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最後に。仕事や人間関係がうまくいかなくなった時、次の言葉を思い出してください。
「お前の頭の中に、何が描かれているか当ててみようか? それはお前が失敗して、しょんぼりしている哀れな姿だろう。そんな絵は消してしまいな! お前が堂々と相手を説得して大成功というシーンを描くのだよ。そうすれば仕事もきっとうまくいく」
中村天風をまだ読んだことがないという方は、ぜひ『運命を拓く』から始められることをお勧めします。たくさんの素敵な言葉に出会うことでしょう。
そういえば、中村天風がフランス滞在中、サラ・ベルナールの自宅に居候していた逸話があります。審美眼に長けた大女優との友好関係を築ける人間的魅力に溢れていた人物でもあったということも書き加えておきましょう。