最大の違いは、「Sunflower-200」にはスマート誘導装置が搭載されているらしい点だ。シャヘドは目標座標を付与されて発射されるいわば擬似ミサイルであり、正真正銘の徘徊型兵器のように途中で目標を変更したり、地上の標的を探したりはできない。ウクライナで目撃されたシャヘドは、いずれもカメラやセンサー類を搭載していなかった。
「Sunflower-200」は昼光カメラと赤外線カメラの両方を搭載し、機械学習システムによって特定の目標を探知する能力を有する。これは、1970年代にトマホーク巡航ミサイル用に開発された、衛星誘導妨害時に航行を支援するデジタル地形照合・地域相関システムほど高度な技術ではなくとも、防空設備や砲兵陣地などの目標を特定するには十分かもしれない。搭載カメラの画像は最大50km離れた場所にいるオペレーターに送信でき、巨大なFPV(1人称視点)自爆型ドローンや短距離攻撃用の徘徊型兵器ランセットなど、動く標的に「Sunflower-200」を突撃させるような操作も可能となる。
「Sunflower-200」に関する情報はほとんど公開されておらず、製造元企業すら不明だ。考えられる解釈の一つは、中国が長距離自爆ドローンの威力に目覚め、単にそれをポートフォリオに加えようとしているというものだ。シャヘドやモスクワを攻撃したウクライナのドローンの成功が未来の先触れとなり、中国がドローンの輸出品目に追加しようとするのは十分あり得ることだろう。
もっとあからさまな見方もある。中国は公式にはロシアに武器を供給していないが、間接的な援助は行っている。そして、ウクライナの国花であるヒマワリの名を冠した自爆型ドローンは、言うまでもなく意味深長だ。ロシアの兵器展示会で「Sunflower-200」が紹介された事実は、中国がウクライナでの戦争にどのような支援を提供し得るかを示している。今回公開された動画は、「Sunflower-200」が構想段階の製品ではなく、価格と政治情勢によっては生産開始まであと数カ月しかない可能性を示している。
(forbes.com 原文)