アジア

2023.09.14 11:15

中国、イランの自爆ドローンを模倣 ロシアへの輸出念頭に?

遠藤宗生

Getty Images

中国製の自爆型ドローン(無人機)「Sunflower-200(向日葵-200)」の発射実験の様子を撮影した映像が公開された。X(旧ツイッター)で共有された動画には、ロケットブースターから射出されたドローンが、少し離れた目標に命中したとみられる様子が映っている。この兵器はイランの「シャヘド136」を模倣した機体のようで、これまではロシア・モスクワで先月開催された軍事展示会Army 2023 Expoで撮影された写真が知られているだけだった。今回の動画からは、これが開発の進んだ段階にある本物の兵器であることが示されており、ウクライナにおいては懸念材料となりうる。

シャヘド136は、ロシアがウクライナの都市を攻撃するのに不可欠な兵器となっている。昨冬には度重なる攻撃が大規模な停電を引き起こし、最近ではオデーサの穀物貯蔵庫を破壊した。ロシアは、大型で高価な巡航ミサイルや弾道ミサイルの生産能力は限られているものの、小型で安価なドローンなら大量に調達し、発射できる。直近のロシアのドローン攻撃について、ウクライナはシャヘド33機のうち28機を撃墜したと主張している。ロシアがウクライナに圧力をかけ続けるためには、大量のドローンを調達し続ける必要がある。

これまでウクライナに向けて発射されたシャヘドは約2000機に上る。当初の機体はイランから直接輸入していたが、最近の複数の報道によれば、ロシアは現在ライセンス契約に基づいて自前で機体を組み立てているようだ。米ホワイトハウスの分析官がシャヘドの組み立て工場とみられる工業団地を特定したものの、ロシアがどれだけこの事業に本腰を入れているかには疑問が残る。初期報道では、イランから届いた貨物を荷下ろししようとした際にフォークリフトが手配できていなかったり、フォークリフトを調達した後で操作資格を持つスタッフがいないことが判明したりしたと伝えられた。今は高校生が低賃金で組み立て作業を担っているとされ、この運用方法で野心的な生産目標を達成できるかは疑わしい。

先日ルーマニアでシャヘドが墜落したとの報告も、ロシア製ドローンの品質管理に問題がある可能性を示している。したがって価格が妥当でさえあれば、中国製の代替品は魅力的な選択肢になるかもしれない。イラン製シャヘドの価格は推定2万~5万ドル(約290万~740万円)だ。カリブル巡航ミサイルは約98万ドル(約1億4400万円)もする。
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翻訳・編集=荻原藤緒

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