セールスフォースの製品マーケティング担当シニアディレクターのケリー・エリヤフによると、生成AIの使用に関しては世代間の分断があり、人口の49%が使ったことがある一方で、51%が使ったことがないという。
同社が発表した「Generative AI Snapshot Research: The AI Divide(生成AIの現状とAIが生んだ分断)」と題されたレポートは、米国、英国、オーストラリア、インドの約4000人の18歳以上を対象に実施した調査結果をまとめたものだ。
生成AIの歴史は長く、インテルのAI専門家のイルケ・デミールによるとその起源は1972年まで遡る。しかし、昨年11月にOpenAIが公開したChatGPTによって一気に普及した。
エリヤフによると、生成AIを使用する人のうち、3分の1は毎日使用し、残りは毎週かそれ以上使用しているという。大半は仕事のために使用しているが、約3分の1は楽しみのために利用し、興味のあるテーマの学習に使用する人の割合も3分の1に達している。
ここで注目すべきは、生成AIの使用に関する世代間の分断だ。非利用者の68%はX世代かベビーブーマーであり、10人中ほぼ9人はこのテクノロジーが暮らしにどのような影響を与えるかを理解していない。また、40%はこのテクノロジーに詳しくないと述べている。
詐欺に遭いやすい高齢者層が、ディープフェイクなどの用途に生成AIが使用されていることを理解していないことは、不幸なことと言える。また、非利用者の3分の1は、このテクノロジーが自分には役に立たないと答えていた。
一方、生成AIを使用している人の多くはメリットを感じており、46%が「時間の節約になる」と回答し、35%は「新しいことを教えてくれる」と回答した。さらに、26%が「ひらめきを与えてくれる」と述べ、22%が「仕事の成功につながる」と回答していた。
調査によると、生成AIがより安全でセキュアなものになり、既存のテクノロジーとの統合が進むにつれ、より多くの人々がそれを使用するようになるという。生成AIを使用している人の大半は、この技術が「使用しているうちに改善された」と答え、約90%は、それが生み出す結果が「期待どおり」もしくは「期待以上だった」と答えている。
「このデータは、生成AIの利用が1年足らずでいかに急速に広まったかを示している。私のキャリアにおいて、これほど早く採用されたテクノロジーを見たことがない」と、セールスフォースAIのクララ・シーCEOは声明で述べた。
(forbes.com 原文)