ソニーネットワークコミュニケーションズの高速光回線サービス「NURO(ニューロ) 光」が、震度6以上の地震被災経験がある200人と、未経験の200人合わせて400人を対象に行ったアンケート調査では、今後30年以内に大地震に襲われる確率が高いことを知っている人は7割以上、モバイルデータ通信、つまりスマホの電話回線によるインターネット接続が使えなくなることを不安に思っている人は9割にのぼった。おもに家族の安否確認ができなくなる不安が大きい。
しかし、ネットにつながりにくい状況に備えている人は全体のたった1割程度。災害時にどう連絡を取り合うかを家族で決めている人は3割ほどあるが、その半数がスマホや携帯電話で行うとしている。だが、災害時は電話回線のパンクを防ぐために接続が制限される。電話は使えないと考えたほうがいい。では、どうやってインターネットに接続するのか。
そんなときは、駅やコンビニなどで提供されているフリーWi-Fi(無線LAN)を使おう。とくに災害時は、これらのWi-Fiが開放されるほか、キャリアに関係なく使える緊急時専用の公衆Wi-Fiサービス「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)もある。調査では、その存在を知っている人はわずか1割程度だった。知らなかった方は、この機に確認してほしい。まだ知らない人にも教えてあげてほしい。
災害発生から72時間以内に、大手キャリアが共同で提供する公衆無線LAN(Wi-Fi)サービス「00000JAPAN」が使えるようになる。フリーWi-Fiのアクセスポイントがある場所なら接続でき、スマホのほか、タブレットやパソコンなどWi-Fi機能のある機器なら、契約キャリアに関係なく利用できる。また、コンビニなどのフリーWi-Fiをも、災害時には無料開放されることが多い。
スマホの設定画面でWi-Fiを有効にすると、接続可能なアクセスポイントの一覧が示される。そこから「00000JAPAN」を選択すれば、パスワード不要ですぐにつながる。ただし、暗号化はされていないため、重要な個人情報などはやりとりしないほうが安全だ。これはあくまで緊急連絡用であり、大勢の人が集中的に利用するため、必要最低限のことを手短に伝えるよう心がけたい。ここでハッシュタグを付けてデマを拡散するなんて、もってのほかだ。
ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、災害発生直後は警察、消防、病院などが人命救助のための情報をやりとりするため、無事に避難できた人は不要不急の通信を避け、少なくとも6時間はインターネット利用を控えるよう呼びかけている。また災害時は通信が大変に混み合うため、譲り合いの精神を大切にするよう訴えている。
防災アドバイザーの高荷智也氏は、フリーWi-Fiが使える場所を確認するなど安否確認の手段を事前に確保しておき、災害発生時は無闇に動き回らず、安全な場所に留まることが重要だと話している。
そのほか、モバイルバッテリーを用意し、災害用緊急連絡アプリを家族でインストールしておくなどの対策も有効だ。ソニーネットワークコミュニケーションズでは災害時の通信に関連した役立ち情報をまとめた『令和版ネットの防災マニュアル』(PDF)を公開しているので、参考にするといいだろう。
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