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2023.08.17

歴史教育は「過去→現在」「現在→過去」どちらから考えるべきか

プレスリリースより

さまざまな社会的課題について意見を投稿できるサイトがある。各分野の専門家が課題(イシュー)を提起し、ユーザーはそれに対して意見を出し合う。最後に結果を集計して、必要に応じて関係省庁などにレポートを提出するというサービス「Surfvote」(サーフボート)だ。

これは「政策決定プラットフォーム」または「社会デザインプラットフォーム」とも呼ばれ、SNSとテクノロジーで社会問題の解決を目指すスタートアップ、Polimill(ポリミル)が運営している。同社の事業内容は「この国の社会の全体最適化」だ。

Surfvoteでは、各分野の有識者や地方公共団体などが問題提起を行い、それに対してユーザーが意見を投稿できる。7月からはAIアシスタントのツクヨミがベータ版として導入され、意見に対して1回だけ質問を投げかける。討論会の司会者のように意見をフォローしてくれるので、言いっぱなしにならない。意見を出して、ツクヨミの質問に答えて、ひとつの投稿が完結する。

イシューは、台湾有事で日本はアメリカと戦うべきか、といった重大な政治問題から、「親を介護するためにもっとも重要なことは?といった身近な問題や、「宮崎駿監督の『君たちはどう生きるか』に見るネタバレの捉え方、そのメリットと違和感は?」といった柔らかいものまでさまざま。現在は30近くが投稿を受け付けている。

そのひとつに、つい先日提起された社会学博士 小宮信夫氏のイシュー「歴史教育は古い方から新しい方へと進むべきか、新しい方から古い方へと進むべきか?」というものがある。小宮氏は、「『なぜそうなったのか』という疑問から始まり、一つの疑問が解けると、別の疑問が生まれ、それがわかると、また別の疑問が生まれることになる。つまり、『なぜ』『なぜ』が続く連続的な探求構造である」として溯る形の歴史教育を推奨している。

すでに十数件の意見が寄せられ、今のところ現代から過去に遡るべきという人は1割強、過去から現代がいいという人が3割強となっているが、両方を取り入れるべきとの意見が5割と多い。それぞれの理由を読むと、なるほどそんな考え方もあるのかと面白い発見がある。これらの意見はSurfvoteのサイトで読めるので、興味のある方はどうぞ。このイシューは10月31日まで意見を受け付けている。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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