「フォロワー獲得広告」は、広告主のアカウントを、フォローしていない人のタイムライン上に「フォロー」ボタンと共に表示させるもの。Xは、この広告によってフォロワー数を「簡単に」増やすことができるとうたっている。
Xのビジネスサイトでは今も利用可能な広告フォーマットの一つとして掲載されているが、アクシオスが入手した8月10日付のクライアント向け通達では、早くて翌11日から担当部門の縮小を開始する予定だとされていた。
アクシオスは、フォロワー獲得広告はXで最も古くから提供されている広告フォーマットの一つだと指摘。匿名筋の話として、この広告によって同社は年間1億ドル(約145億円)以上の収益を得ていると報じている。
ある情報筋がアクシオスに語ったところによると、クライアント担当部門はこの変更について広告主に事前に通達する時間をほとんど与えられなかった。Xの広報担当者はアクシオスに対し、同社はクライアントがフォロワー数を増やす新しい方法を見つける意向だとし、今回の変更は「コンテンツのフォーマットを優先することで、Xの体験を最適化するための大きな努力の一環」だと説明した。同社は、その他の広告フォーマットとして、画像、動画、カルーセル、テキスト、複数のツイートをまとめて宣伝できる「モーメント」広告などを提供している。
米紙ニューヨーク・タイムズは6月、ツイッターの4月1日からの5週間での米国での広告収入が、前年同期比59%減の8800万ドル(約127億円)だったと報道。マスクも7月、Xの広告収入が50%減少したと述べている。
マスクは2019年のツイートで、自身が経営する電気自動車(EV)大手テスラに広告戦略がないことの理由として、「私は広告が嫌いだ」と明言。また、Xの広告収入依存への不満も公然と語っている。だがニューヨーク・タイムズによると、2022年5月の時点で、ツイッターの売上高の90%近くを広告が占めていた。
マスクは過去にもXの悲惨な財務状況について警告しており、増収策をいくつか講じてきたが、結果はまちまちとなっている。
(forbes.com 原文)