3Dプリンターで建築されたサウナ施設、日本製プリンターが活躍

プレスリリースより

この11月、風光明媚な海辺の街、高知県高知市の芸西村(げいせいむら)に、日本で初めて国産建設用3Dプリンターで「印刷」されたフィンランド式サウナ施設「サウナメランジュ」がオープンする。洞窟をイメージした室内には、天井の穴から差し込む自然光と間接照明で3Dプリントならではの積層模様が浮かび上がる「非日常空間」が楽しめる。

建設したのは、高知県に本社を置く和(かのう)建設と、国産建設用3Dプリンターの開発と運用を行うPolyuse(ポリウス)。深刻な人手不足にあえぐ建設現場のアップデートを目指して建造物の3Dプリントを推進するPolyuseは、和建設から高知県の建築業の実態や将来について語り合い、サウナを3Dプリントするプロジェクトを立ち上げた。施設の3Dプリントは2022年8月から9月の間に行われ、その後は正式オープンに向けた準備を行ってきた。設計と運営監修は、2022年「サウナシュラン」で全国7位に選ばれた高知県のサウナ施設、SAUNAグリンピア代表の吉永幸平氏。

建設用3Dプリンターは、原理としては一般的な家庭用3Dプリンターと同じ積層式。コンクリートをノズルから出しながら線状に重ねて壁を作っていく。国内での研究開発にこだわる日本唯一の建設用3DプリンターメーカーであるPolyuseは、日本で初めて国土交通省発注工事で建設用3Dプリンター造形施工を実施した実績を誇る。建設用3Dプリンターは、建設工程の効率化と建物の品質向上、労働力の削減、安全性向上、さらには持続可能な建設材料の利用、廃棄物の削減などの面で大きく期待されている技術だ。

サウナメランジュは、当地の天然記念物である混在堆積物「メランジュ」にちなんで命名された。2023年9月にプレオープン、11月に正式オープンとなる。サウナの隣には水風呂、屋上には外気浴ができるウッドデッキがあり、「波の音をBGMに海を眺めながらの贅沢なひととき」が味わえるということだ。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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