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2023.06.23 12:00

アリババ新会長ジョセフ・ツァイの経歴と「暗号資産」への投資

ジョセフ・ツァイ(Photo by Edmond So/South China Morning Post via Getty Images)

2020年にアリババの銀行システムを批判したマーが、中国政府の反感を買い、何年も海外に身を潜めていた間に、ツァイは副会長に留まった。彼はアリババの創業チームの一員であり、年収が580万元(約9000万円)とされる香港の投資会社の仕事を捨てて、1999年に月給50ドルでアリババに入社した。
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ツァイはその後、2013年まで最高財務責任者(CFO)を務めた後に副会長に就任し、資金調達と戦略的投資の一端を担ってきた。彼はまた、2022年末に約2億6000万ドル相当のアリババ株を売却する計画を公表するなど、自身の財産の分散も進めている。

現在でも、ツァイは77億ドルの保有資産の一部をアリババ株から得ているが、彼はスポーツとエンターテインメント分野の投資でも財産を増やしている。彼は2018年にロシアの大富豪ミハイル・プロホロフからブルックリン・ネッツの49%の株式を取得した後、2019年に23億5000万ドルを支払い、全権を掌握していた。

ブロックチェーン関連の投資も

イェール大学で経済学と東アジア研究の学士号を取得し、イェール大学ロースクールで法学博士号を取得したツァイは、同大学のラクロスチームの選手だった。彼は、キャリアの初期にニューヨークを拠点とする法律事務所サリバン&クロムウェルのアソシエイト弁護士を経て、バイアウト会社ローズクリフ社の顧問弁護士を務めていた。

ツァイは、自身が設立した香港の投資会社ブループール・キャピタルを通じて、株式やベンチャーキャピタル投資、スポーツ関連の資産を管理している。
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サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、ブループールは、破綻した暗号資産取引所FTXの出資元の1社だった。ツァイはこの投資会社を通じて、Web3企業のArtifact Labsやブロックチェーン取引所Averへの出資なども行っている。彼は、2021年のツイッターの投稿で「私はクリプト(暗号資産)が好きだ」と述べていた。


forbes.com 原文

編集=上田裕資

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