ビットコインの価格は21日に約9.8%上昇し、4月中旬以来で初めて3万ドルの大台を突破した。今回の急騰は、ビットコインの価格を先週20%近く上昇させたラリーを拡大させ、Ethereum(イーサリアム)も13%の急騰となった。
Binance(バイナンス)とCoinbase(コインベース)に対する規制当局からの提訴に続き、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年の後半には積極的な利上げに戻る可能性があると発表したことで、ビットコインの価格は14日に急落し、3月以来で初めて2万5000ドル(約355万円)を割り込んでいた。
ビットコインの価格は、FTXの破綻とサム・バンクマン=フリードの逮捕で暗号資産業界が動揺した昨年12月以降、ほぼ2倍に上昇したが、それ以来、他の複数の企業が当局からの監視に直面している。
ここ数日のビットコインの上昇は、世界最大の資産運用会社のBlackRock(ブラックロック)が、スポット(現物)のビットコインをベースにしたETFを米証券取引委員会(SEC)に申請したのを受けてのものだ。このETFは、米国最大の取引所のコインベースが保管するビットコインを保有することになる。
SECはこれまで、詐欺や市場操作などのリスクを理由に同様の申請を繰り返し拒否してきたが、ブルームバーグによると、ブラックロックには申請承認につながる重要な知見があるとの観測が広がっている。
一方、20日には新たに、Fidelity(フィデリティ)やCharles Schwab(チャールズ・シュワブ)、Citadel Securities(シタデル・セキュリティーズ)らが支援する取引所の「EDXマーケッツ」が始動した。
米国の規制当局は最近、暗号資産業界への監視を強化しており、ブラックロックの申請のタイミングを疑問視する声もある。この申請は、SECがコインベースを提訴し、同プラットフォームが少なくとも2019年から、無登録のブローカーとして運営されていたと主張したわずか1週間後に行われた。SECはまた、その前日にバイナンスを顧客資金の不正使用の疑いで提訴していた。
(forbes.com 原文)