経営・戦略

2023.06.26 06:15

LGBTQ+対応で従業員満足度が向上、勤続年数も延びる傾向

リリースベース(松村)

Getty image

世界的にLGBTQ+の人たちの人権に配慮し多様性を受け入れる企業が増えていますが、制度や方針として対応を明確化している企業は日本ではまだ少数です。その必要性を感じていない中小企業も多いようですが、Indeed Japanが行った調査によれば、LGBTQ+従業員を支援する取り組みを行っている企業は、従業員全体の満足度が向上し、平均勤続年数も増える傾向にあることがわかりました。対応で恩恵を受けるのは、LGBTQ+当事者だけではないようです。

Indeedが全国の企業の人事担当者500人を対象に行った「企業におけるLGBTQ+当事者の従業員を支援する取り組みの実態」調査によれば、実施している企業は全体の24パーセントでした。大企業(従業員数1000名以上)は約4割、中小企業は2割にも達しません。取り組みを行っていても求人情報にその内容を明記する企業は2割程度で、情報発信をする段階にまでは至っていない状態です。

取り組みを実施しない理由は、何をしていいかわからないという回答が大企業では3割近くにのぼります。中小企業においては、LGBTQ+当事者が従業員にいるかどうか把握していないのが現状です。ただ、取り組みに前向きな企業は多く、とくに大企業では「経営陣がLGBTQ+について理解を深めることができるイベントやセミナー」に参加しているところが34.5パーセントありました。

全体に、まだまだこれからといった状況ですが、この調査では面白い結果も得られました。取り組み実施企業の13.9パーセントが「従業員の職場環境に対する満足度が上がった」と答えています。とくに都市圏外の企業では25パーセントと多くなっています。しかも、実施企業の70.1パーセントが、勤続年数が長い、または伸びていると感じています。未実施企業の1.5倍です。

さらに、実施企業と未実施企業の差がもっとも大きかったのが多様性です。実施企業では多様性が「担保されている」が66.2パーセントと事情に多く、未実施企業の約2倍です。また実施企業の66.9パーセントが「お互いを認め合う/尊重し合う風土がある」と答え、未実施企業の1.6倍にのぼりました。

多様性を受け入れ互いの理解が深まれば、自然に職場環境が和やかになり、仕事がはかどり、結果的に企業の成長が期待できます。企業のLGBTQ+対応に関して、IndeedではLGBTQ+当事者の声を集めたライフマガジン『Be』を発行しています。また、企業や団体のLGBTQ+対応を促進する一般社団法人work with Prideが「Pride指標」という評価指標を発表しているので、参考にされてはどうでしょうか。

プレスリリース

文 = 金井哲夫

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