「拠点である日本から世界へ進出するという意識は無く、創業時から『世界中のローカルをつなぐ』という思いを持っていました。ディグローバリゼーション(脱グローバル化)という言葉が聞こえてきているように、結局グローバルはローカルの積み上げだからこそ、『世界中のローカルに価値を生んでいきたい』というマインドで事業をしていて。私たちのバリューで一番ユニークな『Enjoy the planet、地球を楽しもう』にも、 土地ごとの自然や文化をリスペクトするという思いを込めています」(磯野謙氏)
これを受けて谷本氏は、「『日本の良きところを発信しなければ』もしくは『日本独自の特性を排除してでも海外に合わせていくべき』のどちらかに寄って考えてしまいがちだからこそ、自然電力さんのナチュラルな姿勢が際立ちます」と見解を述べた。堀尾氏も、「何より、お二方が自然体ですよね。組織の理想のビジョンに加えて、個人としての理想の生き方やあり方にも軸があって、語られる言葉に嘘偽りが無い。それが組織の求心力や遠心力になっているのでしょうし、もっとシンプルでいいんだと気付かされました」と続けた。
セッションの終盤、磯野謙氏は今後の組織のあり方について「ワークスタイルにライフスタイルを合わせる時代から、ライフスタイルにワークスタイルを合わせる時代になりました」と言及。「企業側が、社員のライフスタイルに柔軟に対応できる組織をどのように構築するかが重要です」と説いた。
一方、磯野久美子氏は多様性を体現する必要について説明。人事の執行役員にマレーシア人のメンバーが就任した事例を挙げた上で、「創業時から経営陣の近くにいたわけではなく、バックグラウンドやカルチャーもまったく違うクルーが、パーパスやビジョン、バリューに賛同して、重責を担ってくれています。言行一致ができるようになってきたと感じるとともに、自然電力に共感していただける仲間を世界中から集めたいという気持ちが増しています」と展望を語った。
谷本氏は、「ダイバーシティを意識して採用するのではなく、確立された個がビジョンやパーパスに共感して集まり、結果的にそれが多様性になっている。自然なアプローチを学ぶことができました」とセッションを総括した。
自然電力との1時間に及ぶ今回のトークセッションは、下記アーカイブで全編視聴可能だ。
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