ギガトン級のCO2を除去
エクアティックは、地球上で最大のCO2貯蔵庫である海洋に着目している。同社の創業者でUCLAのInstitute for Carbon Managementでディレクターを務めるゴーラヴ・サント(Gaurav Sant)は、同社のアプローチがギガトン級のCO2を除去し、汚染されていない資源から水素を生成する最も安価でエネルギー効率の高いものだと考えている。エクアティックは、4月にロサンゼルスとシンガポールで実証実験を開始した。シンガポールでは、既存の海水淡水化プラント内に統合された、より大規模なサブコマーシャル施設が早ければ来年末にもオープンする予定だ。この施設は、年間3500MTのCO2を除去することが可能だ。同社は、3年後に初の商業プラントを稼働させる予定で、年間10万MTのCO2を除去し、年間3500トンの水素を生成したい考えだ。これは、Climeworksがアイスランドに建設中の巨大プラントの約3倍の規模だ。このプラントは、フル稼働時には年間3万6000トンのCO2を回収し、貯蔵することができる。
エクアティックは、研究費とプラント建設費として1億ドルの資金調達を実施している最中だ。同社は、すでにザッカーバーグ夫妻が設立した慈善団体であるChan Zuckerberg Initiativeや、Anthony and Jeanne Pritzker Family Foundation、Grantham Foundation for the Protection of the Environment、National Science Foundation、シンガポールのテマセク財団、シンガポール公益事業庁、エネルギー省などから3000万ドルを調達している。
コルシニによると、ボーイングの購入契約は、これまで発表されたCO2排出削減ディールの中で5番目に大きい規模だという。エクアティックは以前、金融サービス会社のストライプが同社の小規模パイロット施設からカーボンクレジットを購入すると発表していた。ボーイングは、2025年初めにオープン予定のシンガポール工場と、エクアティックによる初の商業施設からクレジットを取得する予定だ。この商業施設の場所は明らかになっていない。
(forbes.com 原文)