ビジネス

2023.06.06

粉飾決算、大量退職も? 「戦略MGマネジメントゲーム」で経営力を鍛える

話題のボードゲーム形式の経営ゲーム「戦略MGマネジメントゲーム」

色とりどりのチップで表現される「従業員」「設備・戦略投資」

具体的には、まずは従業員を雇い、設備投資を行って、会社の基盤を整えます。次に、材料を購入して、工場で加工し、製品にして販売します。販売の際は、入札競争を行い、競合他社の中で最もリーズナブルな値段をつけた会社の製品から売れていきます。ブランディングを行って製品の魅力をアップさせたり、大量生産大量販売を行うことで製品をお手頃価格で販売するなど、「社長」の手腕次第で様々な戦略を取ることができます。時々、火災や盗難などの事件・事故も起きますので、そのような場合にはリスク対応も行います。
 写真提供:アンズフォト

写真提供:アンズフォト


ゲーム内では、従業員や設備・戦略投資は、色とりどりのチップで表現されます。実際にこのチップを動かしながらゲームを行う点で、ボードゲームならではの楽しさを感じられると共に、ライバルの動向を伺うこともできる点もポイントです。

ゲームには時間制限があり、決められた時間(40分程度)で1期(1ゲーム)が終了します。期が終了したら決算を行い、決算書(財務三表)を作成します。自ら経営した会社の決算書は、まさに「社長」としての自分の成績表です。自分の意思決定と行動が数字となり、整理され、比較・分析可能な状態で提示されるのは、なかなか刺激的な体験です。久しぶりにテストを受けたような気持ちになるという方も多いです。ただし、テストとは言っても、受験のような「合否が出るようなテスト」とは異なります。理解度や傾向を知るための「定期テスト」に近いものです。ビジネスパーソンとしての自分の強み・弱みを把握し、今後バランスの良い自律的な人材に成長していただくのがこのゲームの目的です。戦略MGの業績が悪いことは全く恥ずかしいことではありませんから、気軽に参加してください、とお願いしています。

ゲームのルール説明をする筆者(左)とxxxxxx

ゲームのルール説明をする筆者(左)

数字は「事実をわかりやすく表すもの」

社会人になると、いつの間にか自分の得意分野の仕事を任されることが増えます。結果として、高い視点から自分の得意・不得意や、全体の中での役割を考える機会が減っていきます。戦略MGでは、プレイヤーは「1人社長」として経営にまつわる全てのことを自分でやらなければならないので、普段は組織の中で自分以外の誰かがやってくれている重要な役割に気づくチャンスにもなります。戦略MGの業績が振るわなくても、視点が変化することで、仕事に良い影響が出る場合も多いです。

「今までは、『自分がもらう時給分働けば良い』と思っていたけれど、経営目線で考えるとそれでは全く足りないと気付いた。考えを改めて仕事に向き合うようになったら昇進した」という方もいらっしゃいました。

戦略MGの参加者は、会社勤務・経営者・フリーランス・士業など様々です。職種も経営から営業、管理、開発、人事など様々ですし、性別や年齢もバラバラです。自分とは違う立場の人が行う意思決定を間近で見ることも、大きな学びになります。まさにアクティブラーニングということが出来るでしょう。
 
写真提供:アンズフォト

写真提供:アンズフォト

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文=神野美穂 コーディネート=児玉真悠子 編集=石井節子

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