書籍「FIRE 最強の早期リタイア術」(ダイヤモンド社)は、日本でもベストセラーとなり、近年は、テレビや雑誌などのメディアでもFIREの特集を見かける機会が増えた。
そうした中、不動産の買取事業などを展開するAlbaLinkは4月22日~27日、ビジネスパーソン(男女)500人を対象に「FIREに関する意識調査」を実施。結果からは、FIREの希望有無やそのために必要だと思う資産額などについての考えが明らかになった。
最初にFIREをしたいかを尋ねたところ、「とても思う」(52.6%)と「まあ思う」(25.4%)が合わせて約8割(78%)を占める結果に。多くが、可能ならFIREしたいと考えていることが分かった。
FIREしたい理由については、最多が「仕事・会社から解放されたい」(137人・35.1%)、次いで「時間を自由に使いたい」(106人・27.1%)、「好きなことをして暮らしたい」(53人・13.6%)の順に。一方で、FIREをしたくないという回答者からは、「生活が不安定だと思うから」などの意見が寄せられ、同社は「FIREでは投資の運用益が主な収入源になることから、安定して生活費を得られるか分からないと不安になる人が多いのでしょう」と説明した。
さらに、FIREするために必要だと思う資産額を質問すると、ボリュームゾーンは「5000万円以上〜1億円」で54.2%、続いて「〜5000万円」(19.6%)、「〜2億円」(11.4%)が続く結果に。平均額は、1億900万円だった。
FIREに必要な目標金額を決める基準の一つとして、「4%ルール」がある。年間支出の25倍の運用資産を築き、それを年率4%で運用していけば、運用益で生活できるという考え方だ。同社は、「例えば1億円を年利4%で運用すると、複利などを考慮せず単純計算して、投資収益は年間400万円。ひとり暮らしなら十分でしょうし、夫婦ふたりが贅沢せずに暮らせば、生活費はカバーできそうですね」とコメント。
4%ルールは米国株式市場の代表的な指標「S&P500」が、戦後75年間の長期的な平均で年率7%で成長したきたこと、同時期のインフレ率が3%だったことから、それらの差から算出されている。日米ではインフレ率に差があることや、今後、株式市場が平均7%で成長し続けるか、などといった様々な議論はあるものの、一つの目安ではある。
40代、50代からは今からではFIREは難しいという声もあるだろうが、資産運用をしながら副業などの勤労収入と合わせて生活するサイドFIREという選択肢もある。まずは早期リタイア後にどんな暮らしをしたいのか、年間の生活費を算出するところから着手してみるといいだろう。金融機関やFP、独立系のファイナンシャルアドバイザー(IFA)などといった専門家に相談してみるのも、方法の一つだ。
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