資産運用

2023.04.19

NISA利用率に地域差 1位は関東、最下位は……

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岸田政権は「資産所得倍増プラン」実現策の一つとして、2024年1月から新しいNISA制度を導入する。新NISAでは制度を恒久化し、非課税期間を無期限化。年間投資上限額を最大360万円まで拡げ、現行のNISAではできなかった一般NISAとつみたてNISAを併用できるようにするなど、様々な制度のバージョンアップを図る。

そうして新しく生まれ変わろうとしているNISA制度だが、利用状況や意識について地域差が存在するというデータが発表された。金融商品の評価や情報配信サービスなどを手がけるNTTデータエービックは2月15日〜21日、全国に住む男女9400人を対象として、NISAについての意識調査を実施。

現行のNISA利用状況を調べたところ、「有る」と答えた人の割合は全国で18%。「無い」の回答が8割超に上った。地域別に見ると、「有る」の回答率は関東で最も高く、20.2%。次いで中国(19.3%)、近畿(18.7%)の順に。一方で下位は、北海道と九州・沖縄が16%。最も低かったのは、東北の15.9%で、地域によってばらつきが見られた。

「現行NISA投資経験が有る」と答えた人に、NISAを利用している金融機関について質問すると、「ネット証券・ネット銀行」が半数を占め、最多に。地域別でも、全国的に「ネット証券・ネット銀行」の優位となったが、地方では「地元の銀行」と答えた割合が高く、九州・沖縄では30.8%、四国で29.9%、東北で27.2%と、関東(8.9%)や近畿(10.2%)の大都市圏を上回った。

一方、「現行NISA投資経験が無い」と回答した人たちに、今回のNISA制度拡充について尋ねると、約57%の人が新NISAに興味を持っているという結果に。

新NISAを始めるならどの金融機関を選択するかについては、「ネット証券・ネット銀行」の回答が24%と、「現行NISAの投資経験が有る」人の割合(50%)を大きく下回り、代わって「地元の銀行」(21%)と「メガバンク」(17%)が伸長した。地域別では、「地元の銀行」が関東、東海、近畿の大都市圏を除く全ての地域で約3割に達し、ぞれぞれ最多の回答率となった。

金融庁の調べによると、2022年12月末時点でNISAの口座数は1804万4165。国民の「貯蓄から投資へ」の流れを促すために、大都市圏だけでなく全国でNISAの活用が進むことが期待される。

プレスリリース

文=大柏 真佑実

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