資産運用

2023.05.13

米国人の4分の1が「金」を最適な投資先に挙げた理由

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マクロ経済環境が不安定な中で、投資家は安全資産に目を向けており、金(ゴールド)は過去最高値を更新する勢いだ。アナリストは、リセッションへの懸念の高まりを受けて、貴金属の価格が今後さらに上昇すると考えている。

金の価格は年初から10%上昇し、ここ3年で最高の年間パフォーマンスとなるペースで、1オンスあたり約2040ドルまで上昇している。

UBSのグローバル最高投資責任者(CIO)のマーク・ヘーフェルは、5月9日のメモで、2024年3月までの金の目標価格を2200ドルに設定し、約8%の上昇を見込んでいる。ドル安や銀行セクターの歴史的なストレス、連邦政府の債務上限に関する対立、金利の引き下げへの期待、景気後退の可能性の高まりは、すべて金の見通しを強化すると、ヘーフェルは述べている。

「ゴールドは通常、需給よりも米国の実質金利や米ドルの強い影響力などのマクロ変数に左右される」とUBSのアナリストのクリーブ・ルエカートは述べ、価格の高騰が、その使用例とほとんど関係がない点がユニークだと説明している。

金のエクスポージャーを得たい投資家は、金の現物や先物を購入する以外に、金を保有する上場投資信託を購入したり、貴金属を採掘する上場企業の株式を購入したりすることが可能だ。

今年は金鉱株が急騰している。ゴールド・フィールド(50%高)、キンロス・ゴールド(27%高)、フランコネバダ(14%高)、ロイヤルゴールド(19%高)、バリックゴールド(10%高)などの銘柄の年初からの上昇幅は、S&P500の8%高を上回っている。

歴史を通じて価値を保つ安全資産とされてきた金は、2020年のパンデミック時に40%もの上昇を記録した。金は過去3年間で18%、5年間で54%、10年間で41%のリターン(利回り)を記録している。

これは、S&Pの過去3年間のリターンの41%や、5年間の51%、10年間の156%と比較すると見劣りするが、国債や高利回りの貯蓄口座などの株式以外の投資の一桁台前半から半ばのリターンに比べれば、非常に魅力的だ。

11日に発表されたギャラップの世論調査によると、米国人の約4分の1が長期投資に最適な資産として金を考えており、過去10年以上で最も高い水準に達している。

一方、投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェットが金を否定していることは有名な話だ。バフェットは、2019年のCNBCのインタビューで、金への投資が「何の価値も生み出さない」と断言した。「非生産的な資産を買う人が期待するのは、他の誰かが、自分よりももっと多くの資金を投じることだけだ」と彼は述べていた。

forbes.com 原文

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