アジア

2023.05.12

中国EVメーカー「理想汽車」株価が急騰、売上高が前年の2倍に

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中国の新興電気自動車(EV)メーカー、理想汽車(リ・オート)は10日、第1四半期の売上高が前年同期比でほぼ倍増し、前年同期の赤字から黒字に転換したと発表した。これを受け、ナスダックに上場する同社の株価は13.9%高騰し、8カ月ぶりの高値となる28.22ドルをつけた。

同社は、中国の富豪、李想(Li Xiang)が設立したプレミアムSUVメーカー。3月までの四半期の売上高は前年同期比96%増の27億ドル(約3600億円)で、純利益は前年同期の150万ドルの損失から1億3600万ドルの黒字に上昇した。

株価はここ1年で40%上昇しており、ライバルの小鵬汽車(XPeng)と上海蔚来汽車(Nio)の株価がそれぞれ48%と36%下落したのとは対照的だ。モルガン・スタンレーの今月のレポートによると、理想汽車は今年、中国の都市部に特化した先進運転支援システムを備えたEVを発売し、年内に100都市でこの機能を有効にする予定という。

同社は、ウォーレン・バフェットが支援する比亜迪(BYD)ほどの世界的知名度はないが、世界最大のEV市場である中国での好調な販売から利益を得ている。新華社通信が9日に報じたところによると、中国における「新エネルギー車」(中国政府がEVやハイブリッド車などを指す際に使う呼称)の販売台数は、4月に前年同月比85.6%増の52万7000台を記録した。先月開催された上海モーターショーでも、EVが注目された。


今年の年初から4月までの新エネルギー車の販売台数は、前年同期比36%増の184万台だった。これに対し、乗用車全体の販売台数は590万台で、前年同期比で1.3%の減少だった。

理想汽車は、インターネット業界出身の李想によって2015年に設立された。フードデリバリーの美団(Meituan)や、TikTok運営元のバイトダンスなどの支援を受けており、2020年7月にナスダックに上場し、2021年8月に香港市場にも上場した。

フォーブスは李の保有資産を50億ドル(約6700億円)と試算している。

forbes.com 原文

編集=上田裕資

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