「我々は、地方銀行の株主たちがどこに向かっているのかを見通せない」とバフェットは述べたが、これは経営破綻したシリコンバレー銀行やファースト・リパブリック、シグネチャー・バンクの株主のポジションが実質的に無価値になったことに触れたものだ。
しかし、バフェットの発言は、急落後に反発した地銀の株に投資する人々を思いとどまらせることにはつながらず、パックウェスト・バンコープとファースト・シチズンズの株価は8日にそれぞれ、9%高と7%高を記録し、地銀全体の回復を牽引した。
バークシャー・ハサウェイは、銀行への投資に関して「非常に慎重」であるとバフェットは述べ、パニックに陥った消費者の群れが銀行に押し寄せた、ここ最近の激動の状況について、米国民や議員の間に理解がないことをその理由に挙げた。
バフェットは、短期的には銀行への投資に慎重だが「銀行は非常に良い投資先になる場合もある」と述べた。12月の規制当局への提出書類によるとバークシャー・ハサウェイは、約288億ドル相当のバンク・オブ・アメリカの株式を保有し、アリー・フィナンシャルやバンク・オブ・ニューヨーク・メロン、シティ、USバンコープにも少額の投資を行っている。
UBSのアナリストのブライアン・メレディスは、6日のイベントがバークシャー・ハサウェイにとって「ここ数年で最高」の年次総会となったと述べ、同社のガイコ保険事業の好調ぶりと、バフェットの後任に非保険事業の副会長のグレッグ・アベルが就任することが確実になったことを指摘した。
フォーブスは世界6位の富豪であるバフェットの保有資産を1128億ドル(約15兆2400億円)と試算している。
バークシャー・ハサウェイのポートフォリオが年初から堅調な上昇を続けているのは、同社の株式ポートフォリオの約半分を占める、アップルの株価が年初から39%上昇したことが一因だ。4日の決算報告でアナリスト予想を上回る利益と売上を記録したアップルの株価は、5日に約5%急騰した。
(forbes.com 原文)