ラテン語で「チャールズの心臓」という意味のコル・カロリ(Cor Caroli)と、この星が一部をなしている「春のダイヤモンド」の見つけ方を以下に紹介する。
コル・カロリの見つけ方
北斗七星の近くにある2つの星からなる小さな星座、りょうけん座の中にあるのがコル・カロリ(りょうけん座アルファ星)は、17世紀にそう命名された。名前は英国王チャールズ1世(1649年に即位)あるいはチャールズ2世にちなんだものだが、どちらの王かはわかっていない。コル・カロリは、約110光年のところに存在し、鮮やかに輝く2つの星からなり、カラ(りょうけん座ベータ星)とともにりょうけん(猟犬)座を構成している。北の空にある北斗七星、そのひしゃくの把手近くにある比較的明るい星がコル・カロリだ。
コル・カロリと「春のダイヤモンド」(Stellariumのスクリーンショット)
「春のダイヤモンド」とコロ・カルリ
「春のダイヤモンド」からコル・カロリを見つけることもできる。この時期に北半球から東の夜空に昇ってくるアステリズム(星群)だ。春のダイヤモンドは4つの恒星からなり、頂上にコル・カロリ、左にうしかい座のアルクトゥルス、右にしし座のデネボラ、地平線近くにスピカが並ぶ(訳注:日本ではコル・カロリ以外の3つを「春の大三角」と呼ぶことが多い)。春のダイヤモンドを見つけるには、おおよそ東方向を見て夜空高く左側の北斗七星を探す。「Arc to Arcturus and spike to Spica(arc[北斗の弧]を延ばしてArcturus[アルクトゥルス]へ、 そしてSpica[スピカ]へspike[突き刺さる])」という覚え方に従うと、春のダイヤモンドの左にあるアルクトゥルスと左下のスピカが見つかる。アルクトゥルスの上にあるのがコル・カロリ、対面にあるのがしし座のデネボラだ。
カロリとはチャールズ
チャールズ(Charles)のラテン語表記は「Carolus」で、そこから派生して「Caroli(カロリ)」と「Carolean(カロリアン)」という単語が生まれた。母であるエリザベス女王時代をElizabethan(エリザビーザン)と呼んだのと同じように、カロリアンは国王チャールズ3世の統治期間を表す。(forbes.com 原文)