超音波モーターとは、環状に配置した圧電セラミックを波のように歪ませ、波乗りの要領で回転子を動かしすというものです。そのため、磁石とコイルを使った同等性能のモーターと比べて5分の1程度に小型化できます。磁石を使わないので、医療機器のような磁場を嫌う場所にも使えるなど、数多くの利点がありますが、とくにPiezo Sonicのピエゾソニックモーターは、同等の他社製品と比較して高性能であるばかりか、超音波モーターの課題であった寿命を2倍ほど延ばすことに成功しています。
Piezo Sonicでは、このピエゾソニックモーターを搭載した自律型搬送用ロボット「AMR:Mighty-D」も販売しています。月面探査ロボットの機構を応用したもので、その場旋回や真横移動が可能で、15センチの段差も乗り越えられ、15パーセントの傾斜ものぼれるので、未整地での安定走行が可能です。最大30キログラムの荷物を運べますが、搬送用だけでなく、農業用や医療用などのロボットを乗せて走行するロボットの「足」としても応用が可能です。
しかし、こうしたコア技術は地味な縁の下の力持ちであるため、それなくして華々しい最先端製品は成立しない非常に重要なものであるにも関わらず、投資家の目も向きづらいという悩みがあります。そのようなシードステージとアーリーステージのスタートアップを支援しようと、一般社団法人「TXアントレプレナーパートナーズ」は、毎年、とくに優れたコア技術を持つスタートアップを「J-TECH STARTUP」銘柄として認定し、エンジェル投資家、企業、研究機関などと結びつける活動を行っています。Piezo Sonicは、昨年末、そのJ-TECH STARTUPに選ばれました。今後は、ピエゾソニックモーターとロボットの開発を続けつつ、海外展開を目指すということです。
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