働き方

2023.04.19 09:00

「一度味わったら、みんなこっちに来る」 クリエイター経済、急成長の理由

成相 通子
そのほかにも「Forbes JAPAN」2023年5月号 で紹介するアメリカのクリエイターたちは、個人のクリエイターの枠を超えて、大きな経済的な影響力をもつ「個人」として、ダイナミックな展開を見せている。こういった動きは加速していくだろう。

とはいえ、トップクリエイターになれるのは一握り。クリエイターが増えれば増えるほど、一攫千金のチャンスは遠のく。一度ヒットしても、炎上のリスクを乗り越えてトップで居続けるのは至難の技だ。月収1000万円を超える人気クリエイターでも、「いまの収入が続くかわからない。不安定ですよ」と語っていたのは印象的だった。

新しいクリエイターを育て、生計を立てられるようにするためには、ベーシックインカムの導入が不可欠だと指摘する専門家も少なくない。上述のリー・ジンもその一人だ。生成形AIの普及によって、職を奪われるクリエイターも出てくると予測されている。真のクリエイティビティをもつクリエイターしか生き残れない、そんな厳しい世界が待ち構えている。

「Forbes JAPAN」2023年5月号 では、そんな生き馬の目を抜くような競争の世界で、自分なりのサバイバル方法を見つけたクリエイターたちに話を聞いた。競争が激しいからこそ、彼らは競争せず、独自のやり方を編み出し、自分にあったスケールの経済圏をつくっている。困難な時代だからこそ、多くの人がクリエイターの道を選びつつある。一人ひとりが、そこに新しい「仕事」の意味と醍醐味を見つけているからだろう。

ForbesBrandVoice