マーケティング

2023.04.09 09:00

「してもらいたいことを行う」プレゼンの黄金律

マタイによる福音書第7章12節(Getty Images)

「人にしてもらいたいと思うことは何でも、あなたがたも人にしなさい」(マタイの福音書第7章12節)という黄金律(Golden Rule)の起源は、キリスト教の聖書、仏教、儒教、古代エジプトの物語などに帰せられてきた。こうした情報源の多様性と歴史の長さは、今日の黄金律の永続的な価値と適用可能性、特にプレゼンテーションへの適用可能性を裏づけている。

そこで黄金律週間にちなんで、あなたがしてもらいたいと思うことを、聴衆に対して行う3つの方法を紹介しよう。

時間

あなたのプロフェッショナルなキャリアの中で、これまで誰かのプレゼンテーションの終わりに「ううん、この人にはもっと長く話してほしいな」と思ったことはあるだろうか? おそらくないだろう。ほとんどのプレゼンは長すぎるのだ。それはプレゼンターが「聴衆が何かを理解するためには、すべてを説明されなければならない」という思い違いをしているからだ。冗長さの原因は他にもある。担当者、会議主催者、ポッドキャストホストなどの誰かが適当に時間帯を指定して、発表者がそれを埋めようとすることも原因の1つだ。

その代わり、聴衆の時間を尊重することだ。まず聴衆が何を知る必要があるのかを決めよう。そして、ストーリーを練り上げ、声に出してリハーサルをすることで練習しよう。リハーサルの時間を計ろう。そして、どんな時間になろうとも、少なくとも10%はカットしよう。

関連性

誰かのプレゼンテーションを聴いている最中に「それが私と何の関係があるの?」とか「なぜ私が気にしなければならないの?」と自分に問いかけたことはないだろうか? おそらく、かなりの頻度でそうしているだろう。それは「企業ピッチ」として知られるもののためだ。企業ピッチとは、プレゼンターが標準的なスライドセットを使用して、企業のストーリーを観客の属性を問わずに使う手法だ。

もちろん、どんな会社でもストーリーは一貫していなければならないが、その場の聴衆に特化したストーリーを伝えるのはあなたの責任だ。そのための簡単なテクニックとして、直接参照と相互参照の2つがある。

・直接参照:聴衆を調査する。聴衆の事業内容、製品・サービス、直近のイベントなどについて事前に調べておく。そして、プレゼンテーションの中で、自分が語る内容と聴衆のビジネスがどのように関連しているのかに言及するのだ。

・相互参照:リサーチの一環として、聴衆の顧客、パートナー、戦略的関係、投資家について調査し、自社にそれらと共通するものがあるかどうかを確認する。そして、プレゼンテーションの際に、そうした共通性について言及しよう。
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翻訳=酒匂寛

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