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2023.03.21 11:15

「今」把握したい介護費用 介護付き有料老人ホームは月額16~18万円

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「うちの親はまだ大丈夫だろう……」 多くの人が自分たちの介護について漠然とそう考え、対策を講じていない現状がある。しかし、介護はある日突然やってくる。

認知症になった、転んで骨折し、介助なしでは歩けなくなってしまった、などという理由で親がこれまでの生活を維持できなくなり、いきなりその家族や親族が介護を行う立場になるということは、よくある話だ。

そうした場合、家族は在宅介護か、施設介護かを選ぶことになるが、共働き世帯が増える中、後者は有力な選択肢になる。では、介護施設の利用にかかる費用は、いくらぐらいなのか。介護施設の費用は、大きく分けて入居時に支払う入居一時金と毎月発生する月額利用料、2つがある。

⽼⼈ホーム検索サイト「みんなの介護」を展開するクーリエは、同メディアに掲載中の介護施設5万1861件を対象にした介護付き有料老人ホームをはじめ4種類の介護施設の費用相場に関する調査結果を公開した。

まず、介護付き有料老人ホーム(※1)の費用相場については、入居一時金が10万円以下の施設が回答の4割近くを占める一方で、1000万円以上に設定している施設も1割超存在。月額利用料については、「16~18万円」が最多で回答の11.1%。後に「18~20万円」(10.5%)、「20~22万円」(9.5%)が続いた。上位・下位各20%を除いた相場で見ると、入居一時金が0~1380万円、月額利用料が16.8~35.4万円だった。


※1…介護付き有料老人ホームとは、介護スタッフが常駐し、掃除や洗濯などの生活支援サービスに加え、食事や入浴、排せつなどの介助サービスが受けられる施設のこと

次に、住宅型有料老人ホーム(※2)については、入居一時金が10万円以下の施設が6割弱。1000万円以上の施設は4.3%と、介護付き有料老人ホーム(1割超)と比べて少ない結果に。月額利用料は「10~12万円」が最も多く16.4%、次いで「12~14万円」(13.5%)、「8~10万円」(11.2%)の順となった。

クーリエは、住宅型有料老人ホームでは「自立」「要支援」など比較的要介護度が低い高齢者を対象としているため、介護度が重い高齢者も対象としている介護付き有料老人ホームと比べ、全体的に費用を抑えられているようだと分析。

なお、上位・下位各20%を除いた相場で見ると、入居一時金が0~380万円、月額利用料が10~24.6万円だった。

※2…住宅型有料老人ホームとは、生活支援サービスは受けられるが、ホームのスタッフは介護サービスを提供せず、入居者が要介護になった場合には、訪問介護などの在宅サービス事業所と契約の必要がある施設を指す

さらにサービス付き高齢者向け住宅(サ高住 ※3)については、一般的な賃貸住宅と同じ「賃貸借契約」であるため、入居一時金は低めで、100万円以上に設定されている施設は回答の2%を切る状態に。上位・下位各20%を除いた相場で見ると、入居一時金が0~27万円、月額利用料が12.5~23.5万円となった。

また、グループホーム(※4)については、入居一時金が10万円以下の施設が約7割。月額利用料は「10~16万円」に7割近くが集中した。上位・下位各20%を除いた相場で見ると、入居一時金が0~16万円、月額利用料が9.6~14.6万円となった。

※3…サービス付き高齢者向け住宅とは、自立状態や軽介護度の高齢者を対象にした賃貸住宅
※4…グループホームとは、要支援2以上の認知症高齢者を対象とした少人数ユニット制小規模の介護施設

今回紹介した介護施設は4種類だが、年金支給額の範囲内などで利用したい場合には、特別養護老人ホームやケアハウスなどの公的施設が選択肢に入ってくるケースも多いだろう。しかし公的介護施設の倍率は、民間施設に比べて高い傾向にある。そのためすぐには入居できず、待機状態になることも珍しくない。

その場合は、空きが出るまで自宅で介護したり、空きがある上記のような有料老人ホームの利用も考える必要が出てくるだろう。いざという時のために、予め施設利用の費用相場を把握し、家族や親族としっかり話し合っておきたいものだ。

プレスリリース

文 = 大柏真佑実

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