働き方

2023.02.27 14:00

週4日労働制は企業の利益につながるのか 英調査結果

意外な事実

週4日労働制への移行に関してこれまでに行われた実証実験の結果が、すべて同じというわけではない。テキサス大学オースティン校のダニエル・ハマーメッシュ名誉教授は米PBSに対し「週4日労働制が実現可能なのは、一部の産業に限られる」と述べている。

例えば自動車製造においては、生産量を減らすことなく労働時間を短縮することは困難だろう。また、スウェーデンでは2016年、中小企業の一部は労働時間の削減による恩恵を受けることができる一方で、大企業はコストが増大するとの調査結果が発表されている。

また、米Formstack(フォームスタック)が行った調査では、会社の方針変更はどのようなものであれ、短期的に従業員のストレスを増大させるとの結果が示されている。

米国では1940年、週40時間労働を導入することが法律で定められ、それを超える労働時間に対して残業代を支払うことが義務づけられた。一方、労働時間の短縮を求める声は「労働」の概念が確立したのと同じくらい古くからある。労働組合が1日8時間労働時を要求したのは、19世紀のことだ。

ヘンリー・フォードは1926年、Ford Motor(フォード・モーター)の労働時間を週60時間から40時間に短縮。米食品大手Kellog(ケロッグ)は1946年、1日6時間労働を導入した。だが、ケロッグはその後段階的に労働時間を延長。1985年までにこの制度を廃止している。

大恐慌のときには失業対策として、米連邦議会上院が労働時間を週30時間に制限する法案を可決した。フランクリン・D・ルーズベルト大統領は当初、この法案に賛成していた。だが、ニューディール政策に基づく法律の制定を優先したため、結局のところ同法は成立しなかった。

forbes.com 原文

編集=木内涼子

ForbesBrandVoice

人気記事