政府は、4月に任期満了となる黒田東彦総裁の後任に、元審議委員で経済学者の植田和男(うえだ・かずお)氏を起用することを国会に提示した。新総裁の人事には、2つのサプライズがあった。
一つは、総裁人事の予想で全く名前が上がっていなかった植田氏の起用自体がサプライズである。実際に人事が報道された2月10日の円相場は131円台半ばから129円台後半へと円高に進んだ。その後は132円台まで円安水準に戻している。報道が出たタイミングでは、「金融引き締めスタンスをとる方かもしれない……」と市場は受け止め、円高に推移した。
しかし報道直後、植田氏は「引き続き、金融緩和は必要」と発言したこともあり、マーケットには安心感を与えた形になっている。
もう一つのサプライズは学者出身であることだ。これまで日銀の総裁は財務省出身者か、日銀の生え抜きが総裁を務めてきた。東大の教授にあり、ファイナンス研究者である植田氏の就任が決まれば、戦後初となる学者出身の総裁だ。
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