サプライチェーンの混乱は続く
#10 – 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が招いた危機の余波と、サプライチェーンを巡る問題で、完全な破綻には至らなくても、会社更生手続きを余儀なくされる企業が増えるだろう。実際、パーティー用品を販売する米パーティー・シティなど、2023年に入ってから破産法第11条の適用を申請した企業がすでにある。これで終わりということはないはずだ。
現金は王様
#9 – 現金は、依然として王様だ。競争に勝つのは、財務状況が健全で安定している企業だ。米連邦準備制度理事会(FRB)が金利の終着点を突き止めるまでは、本格的な投資をおこなう企業はほとんどないだろう。CEOたちの交代
#8 – 多くのCEOたちは、多額の退職金を自分自身に支払うだろう。そのあとは、「C-suite」と呼ばれる最高レベルの幹部たちのあいだで椅子取りゲームが繰り広げられる。そのゲームで勝てるのは1人だけだ。コストが低下する
#7 – 物流問題がようやく解決し、中国で地政学的な問題が発生しなければ(つまり、台湾情勢が悪化しなければ)、物価は下がるだろう。小売企業は、オンラインより実店舗に力を入れるようになる
#6 – 小売企業はついに、ECサイトが儲からないことを実感する。返品・交換や、同日・翌日配達というサービスを提供していれば、なおさら利益は出せない。そして、実店舗をより強化する戦略に転じるだろう。物価が下がる
#5 – 物価が下がり始める。インフレが収まり、FRBが「過度な」利上げをしなければ、ソフトランディング(大量の失業を伴うことなくインフレ率を低下させる「軟着陸」)に移行して、まずまずの1年になる。そして、より正常な状態で、未来に向けたシナリオを描き始めることが可能になる。賃金と雇用が改善
#4 – 雇用が正常化し始め、賃金が徐々に上昇する。そうした状況が、2023年後半に経済がうまく落ち着くまでのプロセス全般を後押しするだろう。コンテンツ消費が減少する
#3 – 人々は、ニュースやソーシャルメディアを閲覧したり、あらゆる最新情報をすぐさま確認したりすることをやめ、安全運転や仕事に集中するようになる……ように期待したい。プライベート・エクイティ企業が、投資戦略を変える
#2 – プライベート・エクイティ企業が、「長期的なリターンと成長」という概念に目覚め、より確固たるアイデアをもつ企業や、成長が見込める企業に投資するようになる。つまり、ベンチャーデット(スタートアップに対して、融資や社債など、「デット(負債)」性のある資金を提供するやり方)ではなく、ウォーレン・バフェットのやり方に移行するような状態だ。あるいは、ベンチャーキャピタリストが、長期的投資を行うエクイティ投資家のようにふるまう感じだ。
Cookieとお別れ
#1 - Cookieが廃止され、人々はデータの支配者から解放される。そして企業は、顧客と真に関わり合える方法、本当に顧客の役に立てる方法を解明する必要が出てくる。2023年は、興味深い年になるだろう。我々全員が、将来を見定めようとして努力し、競争上の優位を手に入れようとするなかで、筆者個人としては、事態は良い方向へ向かうのではないかと楽観している。こうした視点が役に立つことを願いたい。
(forbes.com 原文)